日付:2019年 9月14日(土)~ 16日(月)
ルート:大井川水系 赤石沢本流~北沢

<1日目>
椹島(7:36)→赤石沢橋・遡行開始(7:50)→取水堰堤(11:48)→北沢出合(12:07)
<2日目>
北沢出合(6:37)→15m滝下(7:57)→連曝帯の20m滝下(9:06)→最後のゴルジュ下(12:34)→登山道2700m付近(14:54)→赤石小屋(16:10)
<3日目>
赤石小屋(6:50)→椹島(10:43)


南アルプス赤石岳から聖岳まで、ぐるりと馬蹄形状に源頭を持つ赤石沢。
大井川上流部をテリトリーに持つ渓流釣り師にとっては、言わずと知れた名渓だ。

今年8月の南ア大縦走で大変お世話になった「百間洞山の家」を訪れた際、「いつしか赤石沢を遡行し、釣りしながらこの小屋まで詰めてみたい」なんて思ったりしたのでしたが、まさか、その1ヶ月後に「捜索」という形で赤石沢を詰めようとは、この時知る由もありませんでした。

捜索対象の沢は、「小赤石岳~ラクダの背」直下にある赤石沢の支流「北沢」。
捜索チームは、市岳連の会長M月さんをリーダーに計7名、尾根側の登山道からの下降チームと赤石沢本流からの遡行チームとに分かれ、私は遡行チームを担当させていただきました。


前夜は、畑薙第一ダムの沼平ゲート前にある「指導センター」に泊。


翌朝、仁田岳東南尾根のモルゲンロートを眺めつつ、指導員のU野さんに見送られて椹島へ。
3連休の初日、しかも天気は快晴とあって登山者も多いようで、椹島から来る東海特殊フォレストのバスとも何台もすれ違いました。


椹島で、尾根チームのM月さん、N倉さん、A堀さんの3人とお互いの健闘を祈りつつ別れ、予定通り、赤石沢橋下の巡視路より入渓。
沢チームのメンバーは、今回初めてご一緒させていただいたM田さんとガイドの野Tさん、そして呑み隊長・・・じゃなかった登攀隊長トシゾーさんに私の4人。


赤石沢橋より見る赤石岳。目指す稜線までの標高差は1600m。先は長いな~


思っていたよりも水量は少な目?
赤石沢の本流は、南東方向に注ぐ沢ということもあり、とっても明るい渓相。
巨石の隙間や倒木など、遺留品が引っかかりやすそうな所を重点的に、沢床をくまなく探っていきました。


入渓して最初のゴルジュヘ。へつり箇所には残置スリング。


へつりの後はイワナ淵。早速、肩まで浸かります。


お次は大プール(ニエ淵)。
右岸側の壁に取付き突破を試むも、水流きつく断念。残置ロープがある右岸を小巻き。


長く浸かって、すっかり体が冷えてしまい、ブルブルと震えが止まりませんが、それでも日射しがあるのが救いですね~。
エメラルドグリーンとラジオラリアの赤い石がコントラストを造り、なんと美しいこと!


そして、この抜けるような青空!右岸に10m滝。




巨石CS滝も水量なく楽々突破。もっと水量があったら、印象が変わったかも・・・?


お次の大プールも水量が少な目なので、右岸の浅瀬を歩いて突破。


キラキラして、なんか癒されまくり!


巨石帯の小滝も水量少なめで、簡単突破。
ここの沢は、圧倒的にラバーソールが良いですね(苔はズルですが・・・)。


そして初日の捜索で、一番チェックポイントとしている取水堰堤へ。
スラブを登って堰堤上に立つと・・・


堰堤一杯に、ガレの堆積物が・・・!!
昔は、底が見えない程の深みだったんだとか?


取水口周辺を探ってみるも、遺留品らしきものは見つからず・・・。


堰堤を過ぎて更に歩いていくと、まもなくして北沢出合へ。
こちらが本流で・・・


右手には、明日遡行する北沢。
まだ、正午を過ぎたばかりで時間はたっぷりあるし、北沢に入って距離を稼いだ方が、明日の行程も少し楽にはなりますが、予定通り、ココをテン場にする事としました。


で、先ずやるべき事は・・・Beerを冷やす事、ですねっ♪


トシゾーさんと野Tさんの二人は、北沢の偵察へ。
M田さんと私は、テン場に残ってテント設営と薪拾い。
乾燥した薪が豊富な上、平らな砂地なのでテンバとしては最適なところです。


トシゾーさんと野Tさんが無事テンバに戻れば、焚き火も点火。
でもって、呑兵衛はお待ちかねのビールで乾杯!
トシゾーさん提供のベーコンの直火焼きから始まり・・・


野Tさんのザックからは、肉の塊が出てくるわ出てくるわ・・・
焼いた赤石をお皿にして、まずは豚肉の「赤石焼」!!


極めつけは、この極上鴨肉!!遠赤外線でこんがり焼いた肉が、最高に旨し!


そして、もう一つ・・・野Tさんのザックから飛び出してきたのが・・・( ̄∇ ̄;)
写真だけに留めておきます💦




沢登りの醍醐味は、やはりこの焚き火。
楽しい仲間と山を語り合えるこの時間が、最高ですね。
旨い肉も食って、お酒も程々に?呑んで、明日の燃料補給ができたところでお開きに。。。

この日の捜索ですが、奇跡的にも取水堰堤の下部でザックの蓋ぶた、北沢を少し登った所にザック本体を見つけ、下部で見つけたザックの蓋ぶたと本体が一致、所持品情報とも一致し、本人のものと確信しました。
明日は北沢へ!

続く・・・