日付:2014年 5月17日(土)~ 18日(日)
ルート:笊ヶ岳・布引山 中ノ宿~所ノ沢越経由

<1日目>
沼平ゲート(6:30)→中ノ宿吊橋(7:15)→天狗岩(8:09)→所ノ沢越(14:09)→小ピーク(14:39)→布引山(17:27) 
<2日目>
テン場(5:10)→笊ヶ岳(6:10)→テン場(7:29-8:42)→布引山(8:54)→所ノ沢越(13:17)→中ノ宿吊橋(18:20)→沼平ゲート(19:16)


2日目、4時に起床。
ぺらっぺらの3シーズンのシュラフでしたが、そんなに寒くも無く、朝まで熟睡できました。


テントから顔を出すと、グッドタイミングでご来光が!今日も雲一つない山日和に!
そして、振り向けば・・・


南アルプスの3km級がズラリと一望!求めていたのは、この景色!
とても穏やか&贅沢な朝の一時でした。
朝食を軽く済ませ、早速、笊ヶ岳に向かって出発。


平坦な吊り尾根をぼちぼち歩いていくと、前方に大笊、小笊の姿が!


一旦コルへと下って行き・・・


樹林帯の中を登り返せば・・・


待望の山頂へ!!


そして振り返れば、この絶景ポイント!
いや~この景色を見たくて登ってきた・・・と言っても過言ではありません。


上河内、聖、赤石、荒川、塩見、仙丈、それに白峰三山と・・・
3km級の南アルプス主稜線が、これだけ一望できる場所は、ここにしか無いと思います。


上河内岳に聖岳。眼下に見えるは、東俣林道と赤石ダム。


赤石岳に、荒川三山。


そして、塩見岳に白峰三山。その真ん中には仙丈ヶ岳も。
手前の山は、生木割山と偃松尾山。この白峰南嶺も、いつか縦走してみたいですね。


こちらは、登ってきた布引山。最高の景色も堪能できたことだし、来た道を戻ります。


小笊から東に伸びる尾根はランカン尾根。なかなかアップダウンがきつそーですね。


こちらは雨畑側。一般ルートとは言え、老平ゲートからは標高差2,000m以上あるので、こちらもエキスパート向けのルートです。


稜線にデポしてきたテントを撤収して、下山開始。



雨畑側から登られてきた登山者に、写真を一枚撮ってもらいました。
あの廃道を、またこれから通らないといけないのだから、気が抜けないです。


昨日、自分が付けたトレースと、ピンクのコースサインを頼りに下って行きます・・・


が、標高2,400mあたりで早くもトレースを見失い・・・


更に下っていくと、何故か?ガレ場が右に見え始めてる???って事は・・・

ルートを外しているではないか~!!


100m程登り返すと、ガレの向こう側に昨日通った縁が見えました。やっぱりコースミス・・・
危ない危ない。



コースサインがあるところまで登り返すも、そこから先が全く持って不明瞭。
昨日は、危険なガレを避けて、籔籔を通過しましたが、自分の付けたトレースも見つからず・・・
仕方なく、勘を頼りに藪へ突っ込んでいく事に!


シラビソの幼木が密集していて思うように進めず、おまけに膝上まで踏み抜きだらけのラッセルで一苦労・・・
こんなとこ、通ったんだっけ~?


残雪と格闘しつつ林の中をさ迷いましたが、何とか自分の足跡を見つけ軌道修正、ヤレヤレσ(^^;)


予定してたよりも2時間遅れで「所ノ沢越」に到着。
登り返しにラッセル&ルーファイで、だいぶ時間を費やしてしまいました。
飲み水は既に底を尽き、喉はカラッカラ。それに腹も減った~。


所ノ沢越を少し下ったところにある水場で、一息つくことに。
しかし、あまり長居もできず、ここから順調に下ったとしても4時間、日没前までに何とか吊り橋まで下山したいところ・・・


前方に見える超危険なガレガレ&残雪トラバースを、また通過しなくてはならないのだ・・・


またまた、こういう所や・・・


こういうところを抜け・・・(やはり、ここが一番怖かった~)


ヤレヤレ・・・と油断したら、5mほどズルリと滑落!こえ~
幸いにも木にひっかかって途中で止まったが、なにも無かったら沢床まで落ちているところでした・・・危ない危ない。


トラバース道を何とか越えて、チェックポイントだった標高1,600~1,500mの左へのガレガレ&トラバースポイントも、全くもって不明慮。
ここのトラバースも非常に危険でした。


トラバースポイントを誤って直進してしまうと、向こう側の尾根筋へと吸い込まれて行きます・・・
おお怖っ。


尾根を黙々と下って、大井川本流の出合となる中ノ宿沢の渡歩点まで降りてくれば、ようやく一安心。


最後の崩落箇所を高巻きして、吊り橋を渡り・・・


そして18時過ぎに、チャリをデポした吊橋の袂に無事帰還。
帰路は所々で迷い、スムーズには行かなかったが、暗くならないうちに何とか下山できました。
今日の行動時間は13時間以上、いやはや長い1日でした・・・


沼平ゲートに到着した頃は、もう真っ暗。

何はともあれ、無事に帰ってこれて良かったと思います。
一歩間違えれば遭難してもおかしくないところでしたが、天気にも恵まれ、とても達成感ある山行でした。
展望が素晴らしい笊ヶ岳には、また行ってみたいと思いますが、この恐ろしいルートは二度と歩かないだろうな~。