日付:2015年 7月19日(土)~ 20日(日)
ルート:八ヶ岳・横岳西壁 小同心クラック


山岳会のクライミング教室最後の外岩は、アルパイン初級ルートの横岳西壁「小同心クラック」へ。
コーチ2人と私含めた講習生の2人、計4人のパーティで行ってきました。


この日は台風一過で晴れたものの、富士山には傘雲が・・・
予報では、八ヶ岳は「晴れのち夕方から雨降り」との事でしたので、今日のキャンプ地「赤岳鉱泉」に着くまでは、何とか降らないで~と天に祈ります。


でもって、さすが3連休の中日!美濃戸口にある駐車場は、すでに満車。
駐車場から、だいぶ下った道の路肩に車を停めて出発しました。


美濃戸口では晴れていたのに、美濃戸山荘を越えたあたりから、早くも雨粒が・・・
みるみるうちに雨脚が強くなり、急いでカッパを着こんで、ずぶ濡れになりながら「赤岳鉱泉」へ。


で、まず全員でやることは、寝床確保ですね~。
雨降りのテント設営は気が滅入るのですが、大勢いると案外楽しいものです。
各自テント内にマットを敷いて寝床を無事確保すれば、次やる事といったら飲むしかないでしょう!

今回「ザックの荷物の軽量化する」という理由?で、OZWさんから「小屋の夕食(2,000円)を予約しますが、如何でしょう?・・・」という事前連絡をもらっていた。
「にせんえん・・・山小屋価格だなー」と内心思いつつも了解し、予約をお願いしていたが、出てきたもの見てビックリ!


じゃ~んこちら、リゾートホテルではなく、山小屋でこのメニュー!
テント泊でも食事を用意してくれる小屋ってなかなか無いと思いますよ。絶対夕飯おススメ!
それに外は雨降りだったので、尚良かった。
うまい肉を食い、満腹になって幸せな気分で、シュラフに潜り込むことができました。
OZWさん、あざ~っす。

さて、翌朝・・・


下界は青空が見えてますが、また午後から崩れるという予報・・・
今日一日どうなりますやら?


各自支度を済ませて、5時過ぎに出発。
一般道からロープを越えて、大同心沢へと入って行きます。


大同心へと向かう尾根が、また急登!雨あがりなので結構滑ります。


そして、ガスに覆われた大同心が目の前に。


そして、これから向かう小同心、こちらもガスの中。しかし・・・なんか幻想的。


大同心には、既に2パーティーが取り付いていました。


大同心基部から、お隣の小同心へ向かうトラバース道は、ちょっと怖いところがあります。


振り返って大同心。ここから見る大同心は、とてもピラミカルで威圧的!


草付を登れば、小同心の取付基部へ到着。
既に1パーティーが取り付いていましたが、待ちもなく安堵。
先行にOZWさん&私のパーティー、後続はHTさんと&HSGさんのパーティーに別れ・・・


お約束通り、私リードでクライムオン!
岩場は、やはりヌレヌレのしっとり状態でしたが、ガバガバなので落ち着いて登っていけました。
登り始めはピナクルにスリング巻いて支点取り、その上にハーケンも見つければ、気持ちも楽に。
無難に登って、1ピッチ目の終了点へ。


そして左手を見れば、素晴らしい景色が!
アルパインの醍醐味は、何といっても、このゾクゾクする高度感じゃ~ないでしょうか?


2ピッチ目も私リード。
ハーケンやしっかりしたハンガーボルトも見つけて、特に問題ありませんでした。
この先のチムニーを抜け、小ハングを乗り越えると終了点のテラスがあります。


チムニーから顔を出す、後続のHTさん。


さて最後の3ピッチ目は、コンテでも行けたかもしれませんが、傾斜の無い凹角を抜ければ「小同心の頭」に到着です。
でも油断はできない・・・このピッチで、OZWさんをビレイ中にテンションかかりビックリ!
岩が剥離して落ちたとの事・・・。
易しいと言っても、何が起こるかわからないのが、アルパインですね~。


横岳山頂バックに、OZWさんをパチリ。


今度はOZWさんが「小同心の頭」に立つ私をパチリ。
念願だった「小同心クラック」を全ピッチ、リードさせていただきました。


さすが3連休。横岳山頂には、たくさんの人人人・・・


ここから山頂まではコンテで歩き、山頂直下はⅢ級レベルの岩登りとなります。
さっきのような岩ポロリも無いとは限らないので、油断は禁物。

そして、無事山頂へ!!OZWさんとガッチリ握手。
やっぱり最後は山頂で終わると「山に登ったー」という充実感、達成感がありますね。
緊張から解放され、HTさんHSGさんのパーティーが登ってくるのを待っていると・・・・


観音さまが・・・現れた!?


いやいや、HTさんが現れました。眼下に見えるのが「小同心の頭」。
一瞬ですが、ブロッケン現象を拝むことができました。


全員無事揃ったところで、ハイチーズ。お疲れ様でした。


気が付けばガスは消えて、上空は夏の空。


予定通り、硫黄岳経由のルートで下山します。
この日、東海、関東・甲信越は梅雨明けとなったそうな・・・いよいよ夏本番です。


下部に大同心。
大同心ルンゼを下降する案もありましたが、濡れているので危険・・・ということで却下されました。


稜線に群生するコマクサは満開でした。


チシマギキョウに・・・


タカネツメクサ。


これぞ、巨大キノコ雲!?


硫黄岳の巨大な火口壁。


遠方を見つめる、怪しげなおじさん。


見ているのはこの景色。手前のカップルがなんか微笑ましい。
若くて可愛らしい山ガールさんに挨拶されて、おじさん達もニコニコ顔。
風はさわやか、暑くも無く寒くも無く、そんなに混んでいる訳でもなく、気持ちの良い稜線歩きでした。


11時過ぎに無事「赤岳鉱泉」へ。
濡れていたテントも十分乾き、綺麗にたたんで撤収。山は晴天に限ります。


小屋から見る大同心と小同心。午後はやはりガスってきました。


小屋を出発すると、また小雨がポツポツし始めたので足早に下山。

今回同じグループとなった講習生のHSGさん、お年はなんと70歳、ななじゅうですよ!
「最近出番が無い」とは言いつつも、山ヤらしく、しっかりと80Lの青いザックを背負っておりました。
クライミングの練習場である北部体育館の人工壁のハングやルーフを乗越え、上半身はボディービルダーそのもの。
「若げもんには負げらんねぇ」・・・というモチベーションがひしひしと伝わっていました。
恐るべし、健脚じいさん(失礼!)です。


下山途中、カモシカさんにも遭遇。

お陰様で、帰りは雨に降られず済みましたが、赤岳山荘や美濃戸口は、とにかくアブがうっとおしかった。
14時に美濃戸口の駐車場に着き、途中小淵沢の温泉で汗を流し静岡へ帰りました。
さてクライミング教室も無事卒業し、次は何処の岩へ行きましょうかね~?