日付:2016年 8月11日(木)
ルート:安倍川支流 白沢(本谷)

駐車場(7:50)→遡行開始(8:00)→左俣・右俣出合(8:37)→白沢大滝・本谷出合(10:40)→遡行終了(14:50)→1236m地点(15:57)→駐車場(17:56)


安倍奥、青笹山の西面に源頭部を持つ白沢(白ん沢)へ、リュウと二人で行ってきました。
白ん沢は、左俣、本谷、右俣の3つの水流からなり、左俣と本谷との出合には、知る人ぞ知る落差100mの白沢大滝があると言う。
今回の目標は、その大滝の偵察を兼ねて本谷を詰める事。
本谷の遡行図には、5段50mの滝をはじめ、20m滝があったりと難関がいくつもあり、結構あなどれないかも?
骨折病み上がりの私にとっては久しぶりの山行、いや、はっきり言って冒険に近いが、一体どうなるか?


静岡市街地から安倍街道を北上し、朝7時半に大堰堤前の駐車スペースに到着。
天気は快晴、今日も暑い一日となりそうだ。


正面には、白ん沢を源頭に持つ青笹山の稜線。
沢へ向かう途中で、地元農家のオッちゃんとすれ違い「ヒルが5万といるよ」と脅され、足元をよく見れば、すでにヒルが私の沢靴にくっついているではないか~ひぃぃ~


左岸側の樹林帯には、巻き道となるモノラックが走っており、それを辿れば二俣まで手っ取り早く行けるようでしたが、 初っ端からヒルに出会ってしまったんでは、沢沿いの植林帯は歩きたくない!
・・・ということで沢通しで行くことに。


しかしその沢通しも、巨石越えの連続でなかなか大変!


小滝をいくつか越えて、まもなくして右俣との出合へとなり、左の本谷側へ。




その後も巨石越えが続きます。ルート取りのルーファイが楽しい!


最初に現れた4m滝で、リュウからハーケンの打ち方を教えてもらいました。


滝に打たれながらのハーケン打ちは、これがなかなか難しい。
リス(岩の割れ目)とそこに打ち込むハーケンの選択は、経験の積み重ねが必要そうですね。


やがて両岸が狭まり、ゴルジュへ。


下部はロープ出さずに水流突破。


その上の7mCS滝の正面突破は厳しく、左岸側のルンゼを登って高巻き。
草付きの横断バンドに無事登り、対岸に目をやれば・・・


そこには落差100m、白沢大滝の姿が!これは凄い!!


こんな大滝を登ることができたら、さぞかし気持ちが良いことだろう。


大滝との出合を通り過ぎ、更に本谷側を詰めていきます。


その先も7、8mの滝が連続し、その先に見えてきたのは・・・


20m滝。美しい滝ですが、これは登れない。


ここも左岸側の草付きを高巻きします。高さがあるので結構きんちょー。


20m滝の落ち口に出て、お次は6m滝。その滝右をフリーで登っていくリュウ。
ホールド&スタンスは豊富ですが、落ちたら怪我じゃ済みません。


そして、核心の3段50mの大滝へ。もちろん、ここからロープを出します。


1段目はリュウがリード。しかし、出だしからなかなか登って行けず苦戦・・・
体も冷え切ってしまい、上段もあるからということで、結局あきらめて1段目は巻くことに。


1段目を巻いてしまったので、2段目もリュウがリード。


高さはあるのでロープは出しましたが、はっきり言って階段状態でした。


その上には、2段のスロープを持つ30m滝。


右岸側のスラブを、恐ろしくもノーザイルで登って行きました。


7m滝はロープを出して、私リード。


その上の6m滝は、リュウがリードで取付くも、登れる代物ではないと諦めて左巻き。


更に高巻きしてよじ登っていくと、右手には巨大なスラブの岩壁が。
既に沢水は枯れており、この岩壁の下にあるのが、源頭の湧水滝だったようでした。


そのスラブ滝の上には、さらに巨大なスラブ滝が!


そのスラブ滝の落ち口まで巻きました。沢筋はハッキリしていますが、水流は無し。


ガレガレとなった沢床を、さらに詰めて行くと・・・


急に視界が広がり、見えてきたのは・・・


二俣に分かれた大ガレでした。
ここを更に詰めれば、青笹山の山頂へ出ることができるのでしょうが、あの背丈ある笹藪は漕ぎたくないですし!



時間も押していて既に14時半という事で、右に派生している尾根筋を伝って下山することに。

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危険なガレガレを登って、やっとこさ尾根に取り付くも、直ぐに藪漕ぎ状態に・・・


尾根筋を間違えたと直ぐに気づき100m程登り返すと、下山時の目標としていた標高1236m地点にある作業小屋跡に出ました。
この道迷い&登り返しで、1時間程ロス・・・


標高1236m地点から派生する尾根は非常にだだっ広く、踏み跡もありませんが、見通しの効く植林帯なので適当に降りて行くと、モノラックのレールが!
そのモノラック沿いを降りていくと、右俣との出合に辿り着くことができました。やれやれ・・・


いや~最後は道迷いに藪漕ぎ、そして登り返しもあってヘロヘロの私。
思わず沢に飛び込んでクールダウン。
またあのイヤなヒルが潜むところを、恐る恐る通って、車を停めた大堰堤の前まで、無事に戻ることができました。

危険と常に隣り合わせでしたが、私にとっては、中身の濃い1日でした。
そして、白沢大滝をこの目で見る事ができて良かったと思います。
リュウも私も沢登りを初めて間もないですが、地元、安倍奥の沢をこれから一つ一つ堪能して行きたいですね。