日付:2017年 5月 3日(水)~ 4日(木)
ルート:塩見岳 三伏峠から塩見岳をピストン(鳥倉ルート)

<1日目>
鳥倉林道ゲート(14:42)→鳥倉登山口(15:23)→三伏峠小屋(17:53)
<2日目>
三伏峠小屋(5:43)→本谷山(6:41)→塩見小屋(8:27)→西峰~東峰(9:55‐10:14)→三伏峠小屋(13:51-14:29)→鳥倉林道ゲート(17:00)


今年のGWは、剱岳の八ツ峰へ!
連休中の天気も良さそうだし、ほぼ100%そう思っていたのでしたが・・・
何故か、塩見に予定変更!?

その理由は、急激な気温上昇で、室堂や剱周辺では雪庇の崩壊や表層雪崩が多発していること。
立山なだれ情報を見ると「非常に危険な状態」という赤い文字になってるし、身近で雪崩による死亡事故があったことも受け、K会長の苦肉の判断で剱行きを断念したのでありました。
まあ山は逃げない。またチャンスは訪れるでしょう!

・・・ということで、急きょ目的地を「塩見岳」に決めたのは、山行の前日。
剱からの転進、しかも一般道を登るということで、すっかり気が抜けてしまった私でしたが・・・
さてどうなるか?

朝8時に静岡を出発するも、さすがGW!
あちこち道が渋滞し、登山口となる長野県大鹿村の「鳥倉林道ゲート」へ、13時前には着く予定が、結局到着したのが14時半・・・


30台くらい停められるというゲート前の駐車場は、ご覧のとおり。
GWといったらメジャーな山は激混みでウンザリですが、ここは断然空いてて宜しい限り!
でも、これでも混んでるほうなのかな~?
ここから今日の目的地「三伏峠小屋」までは、標準タイムだと4時間近くかかるから、日没ぎりぎりに何とか辿り着けそうな感じ?


ゲートを越えて、舗装された林道を40分くらい歩いて行けば、間もなくして鳥倉登山口へ。


で、しばらくというか、だいぶ登ると「1/10」の標識。
「まだ1/10かよ~」と、早速K会長からのぼやきの声。
ご丁寧に、どうやらこの標識がこれからあと8個出てきて、あとどのくらいで三伏峠に着くか?を知らせてくれるらしい。


10分の幾つか?は忘れてしまいましたが、展望の良いところで一服。


「4/10」を過ぎた所から、残雪べったりの北斜面のトラバース道に。
腐れ雪なのでノーアイゼンでも大丈夫でしたが、滑ったらそのまま谷へ直行するので、ピッケルは必須。


特にルンゼの通過は慎重に・・・
トレースを外さないよう慎重に通過するも、ずっと右足が山側なので、右足ばっか疲れる~。


「8/10」を過ぎると視界が開け、左手には塩見岳が!




そして、ゲートから3時間ちょっとで「三伏峠小屋」に無事到着。
標高にして1000m弱登ってきました。


で、先ずやることは寝床の確保ですね。あたりが暗くなる前にテント設営。
中に入って落ち着けば、やっぱりお酒で乾杯。
飲み始めが19時を過ぎていたので、既に寝てるパーティーもあろうからと、宴も程々にして?20時過ぎには消灯。
4人用テントに3人なのでファミリーキャンプ並みに快適でした。


翌朝・・・
4時半に目覚ましが鳴り、まだ眠たいが仕方なく起床。


ほとんどのパーティーは既に出発しているようで、小屋の周りはものけの空でした。


剱に行けなかった後遺症なのか・・・?
あまり気合が入らずダラダラ準備して、5時半過ぎに塩見岳のピークを目指して出発。


出発して最初のピーク、「三伏山」の標識を通過。


正面には塩見岳、その左奥には、北岳~間ノ岳~農鳥岳の御三家がくっきり。
やや曇はありますが、まずまずの天気。


左手には、中央アルプスの峰々。


2つ目の小ピーク本谷山を過ぎ、シラビソの樹林帯から登り返すと・・・


視界が開け、雲も消えて青空に!・・・テンショーンア~ップ。 \(^o^)/


でもって展望が良いと、ついついだらりと一服してしまいます。


そして、いよいよ本峰の稜線歩きの始まり。


雪も締まって歩きやすいし、白銀がまぶしいー


塩見岳の肩となる所には、屋根まで雪に埋もれた塩見小屋が!


いや~この景色は、素晴らしいの一言!
雪庇が発達しているので、なるべく這松側を歩いて行きます。


せっかくなので、天狗岩の岩稜をよじ登って行く事に。
簡単な岩場ですが、浮石もあるので慎重に。


左手には、悪沢~荒川岳と小河内岳。


天狗岩を越えて、いよいよ最後のピークへの登り。


ここからピッケル&アイゼン効かせて、ガシガシ登って行きます。
それほど傾斜もないので、問題無し。


そして無事、山頂(西峰)へ。
少し休憩して、お隣の東峰へも行ってみる事に。


東峰は360°の大パノラマですね~!
仙塩尾根の向こうには、間ノ岳と農鳥岳。静岡県の最北端、先っちょのあたりですね。


全員揃ってハイチーズ。


蝙蝠岳の奥には富士山も。


南には、荒川岳方向に伸びるクラシックルートの北俣尾根。
昨年夏、北俣尾根を登る計画をしたものの、足を骨折して行けずじまいになっているルートです。


リュウは、塩見の北陵バットレスの方が気になっている様子。


標高は西峰が3,047 m、東峰が3,052 mで東峰のほうが高いのに、何故か?三角点は西峰にあるんですよね~って、知ってた?


景色も堪能した事だし、登ってきたところを下ります。


四つん這いになって登った所も、雪が締まっているので楽に降りれました。


肩のところまで戻れば、危険個所も無く一安心。
しかしながら、まだまだ三伏峠までは遠い遠い。


振り返って塩見岳。今年はやっぱり雪が多いのかな?


最後のピーク三伏山まで戻ってくると、三伏峠小屋も直ぐそこです。


そして無事、三伏峠小屋へ戻ってきました。山頂からここまで、休み休みで3時間半。
時刻も既に14時、のんびりもしていられないので、テントを直ぐ撤収して下山開始。


三伏峠の標識前には、何故か??ロードバイクが1台!!
チャリで雪の峠を越えてくるツワモノがいるとは・・・もうビックリ!


再び怖ーいトラバース道を、慎重に通過。今回の山行で、私一番怖かったところかも・・・


トラバース道も何とか越えて、登山口へ。
さらに40分程だらだら歩いて、ゲートがある林道駐車場には17時に無事到着しました。

いやはや、お気楽気分で行った塩見岳でしたが、なかなかのハードな山行で疲れた~。
帰りは大鹿村の鹿塩温泉に寄って汗を流し、6時間もかけて静岡へと帰りました。

剱他、北アルプスで滑落や雪崩による死亡事故が多発した今年のGW。
天気がいくら良くても雪崩の危険を察知し、剱行きを中止したのは正解だったと思います。
剱へ行けたかもしれないし、運次第と言えばそれまでですが・・・
なかなか考えさせられた今回の山行でした。