日付:2018年 5月26日(土) ~ 27日(日)
鈴鹿山脈 御在所岳 藤内壁
1日目:前尾根P7~P2
2日目:一の壁


会山行5月の定例クライミングは、鈴鹿山脈の「御在所」へ。
今回の企画幹事を担当していたトシゾーさんが、直前で大ケガして参加できないというアクシデントがあったが、会からは8名、そして強力な助っ人、名古屋からハマさんとTさんのお二人を加え、総勢10名のパーティーで行ってきました。

静岡を朝5時に出発し、8時に鈴鹿スカイラインの登山口ゲート前でハマさん達と合流。

今日の宿である「日向小屋」に不要な荷物をデポし、早速「前尾根」の取付き場所まで、ハマさんTさんに案内いただきました。あざっす。


藤内小屋を過ぎ、更に沢を登って行くと、やがて二俣に。
この二俣を起点に伸びている岩の尾根が今回登る前尾根だ。

左俣の藤内沢を詰めて、右手の林に入ると、P7の基部となるクラックがありました。
前尾根は、御在所の中でも非常に人気のあるマルチルート。
取付きは、さぞかし混雑しているかと思いきや?意外や意外、遅い時間に来たのが功を奏したのか?渋滞することもなく、前のパーティーの後に直ぐ取り付くことができました。


トップバッターでルートを案内してくれるという、ハマさんTさんペアでクライムオン。
リードはTさん。
クラックはハンドバチ効きで、それほど難しくない。
クラックを越えた後は、右上してリッジを登っていきます。


私のパーティーは、M野さんとK部さん。P7の終了点からお二人をパチリ。


続いてP6。チムニールート、フェイスのルートと登るルートは多彩ですが、リッジ状の簡単なノーマルルート(Ⅳ)で登りました。


リッジからは「一の壁」と「中尾根バットレス」が一望・・・ってことは、向こうからも、こちらが良く見えるってことね?


P6から50mほどコンテで歩いて、お次はP5へ。P5はよく覚えていませーん。


P4は北谷側にトラバースして、簡単な凹角ルート(Ⅲ)を登っていきました。
まあ落ちるグレードじゃあありませんが、このピッチはカムを満遍なく使ったと思います。


P4から「中尾根」の眺め。


ビレイ中の私を、ハマさんがパチリ。


お次のP3はスラブ岩。P2の櫓も見えてきました。


P3は途中まではコンテで登り、写真のスラブのところからロープ出しました。


50mロープ目一杯伸ばせば、何とかピークまで辿り着けそう・・・と登ってみるも、ピークの手前あと10のところで、下から「あと3メートル~」のコール!?
ありゃりゃ・・・届かないのね~!
仕方なく登ったクラックをロワーダウンして、途中でピッチを切りました。


ピッチを切った終了点から、フォローで登るK部さんをパチリ。


P3のピークを越えると前尾根もクライマックス、P2の櫓へ!
今日は、ここだけは絶対登りたいと思っていました。写真は、先行のハマさんパーティー。


ここも簡単な、ノーマルルート(Ⅳ)を登りました。無事天辺に着けば、この景色!


写真は、便器(私が勝手にそう呼びました)に座るTKさん。
P2の櫓は、中間部にあるこの便器の形をしたマントル越えが面白かった。
この便器・・・じゃなかったマントルに頭から突っ込むと、身動きが取れなくなってしまうんですね~


今回つるべで登ったTKさんT本さんパーティー、その後続のK会長のパーティーも櫓を登り、全員無事、前尾根完登!


下山ルートは、P2とP3のコルから急なルンゼを降りていきました。
落ちたら、それこそ沢まで一直線ですが、ここもハマさんTさんが案内してくれ、無事北谷の沢床まで降りることができました。


振り返って、登ってきた前尾根を見上げる。中央に見えるピークはP3かな?その直ぐ右側にP2の櫓。


ルートが混んでいたら、ヘッデン下山も覚悟していましたが、明るいうちに日向小屋まで無事下山することができました。


小屋に戻れば、呑んべにとってはお待ちかねの時間。皆さんと前尾根完登を祝って、プシュっと乾杯!
ここち良い沢風が吹く外のテラスで、ハマさん差入れのキンキンに冷えたビヤをぐびぐびやれば、もうこの上ない幸せを感じました。
この場にトシゾーさんがいないのも呑み仲間としては、ちょっと寂しさはありましたが、お酒と話は尽きることもなく、皆さんと楽しい夜を過ごすことができました。


2日目・・・


5時前、まだ皆さん寝ている中、内藤小屋の手前まで一人で沢をぶらり。
呑んだ割には、爆睡したおかげで体調は今日も快調。
2日目は「一の壁」なので、ゆっくりと朝飯を食って、7時半過ぎに小屋を出発。


日差しはすでに強く、今日も天気は雲一つない快晴!
藤内沢を汗だくになりながら登っていき、藤内沢出合から左俣へ。


前方には、つるっつるの「カリフォルニアドリーミング」に取りつくクライマーの姿が。
今日はかなり人が入っているらしく、前尾根、中尾根、そして一の壁も人人人・・・∞


一の壁では、昨日前尾根を登ったパーティーで分かれ、それぞれ思い思いのルートを登りました。


それにしても、なかなかの高度感。
ここは、トップロープ禁止という暗黙のルールがあり、人が大勢いる割には、岩場がトップロープで埋め尽くすということもないので、壁はすっきりしていて、待ちがないというのが良いですね~。
でもリードで登ったら、必ずビレイヤーも上に一緒に抜けないといけませんが・・・


谷の向こうは、昨日登った「前尾根」がP7からP2の櫓まで見渡せることができました。
今日はマルチの講習をやっているようで、大勢の方が取り付いていました。


「右ルート」を登るT本さん。この日は果敢にも4本オールリードしたとのこと。


Ⅵ級のルートを登り終えて顔を出すK会長。途中10Cのルートに迷い込んだらしく「ヘロヘロだよ~」とのこと。

私のパーティーは、3ルート(Ⅳ+)、左ルート(Ⅴ)、5ルート(Ⅴ)を登りました。
もうちょっとムズイところでも良かったのですが、どれも40近いロングルートなので、3本登れば良い時間になってしまい、「もういいか~」ってなってしまいました。


日本でも有数の一枚岩だというスケールの大きい中尾根バットレス、次回の目標はココかな~???
お~怖っ。。。
ここは、トイレで使うスッポンのような吸盤付のナチプロがあったら、良いかもしれませんね~。

14時過ぎにはお開きにし、荷物をデポしてきた日向小屋の親父さんにお礼の挨拶をして、無事下山しました。
帰りは、ハマさんお奨めの温泉と、熱々カレーうどん屋に寄って静岡へ帰り、トシゾーさんからピンチヒッターで引き継いだ幹事役も、どうにかハマさん、Tさんに助けてもらい任務が終了しました。

御在所の岩場は、同じ花崗岩の小川山と違って、フリーというよりアルパインに近く、何よりもロケーションが素晴らしいところですね。
そして何といっても、気さくな親父さんのいるアットホーム&リーズナブルな日向小屋。
どれも魅了してしまい、すっかり大好きな場所となりました。
トシゾーさんがケガから復帰したら、是非また御在所に訪れてみたいですね。