日付:2018年 8月13日(月)~ 15日(水)
ルート:南アルプス 大唐松尾根~農鳥岳~広河内岳~白河内岳~笹山(奈良田起点の周回ルート)

<1日目>
奈良田ダム吊橋P(5:30)→広河内林道ゲート(6:05)→雨池山(9:05)→2320m峰(11:10)→雷雨で一時停滞→大唐松山(13:48)※幕営
<2日目>
大唐松山(5:39)→2600m草付(8:15)→農鳥岳(10:52)→大門沢降下点(11:28)→広河内岳(12:11)→大籠岳(13:45)→2776峰に幕営(14:12)
<3日目>
2776m峰(5:36)→白河内岳(5:55)→笹山南峰(7:07)→奈良田ダム吊橋P(9:35)


南アルプス農鳥岳の東に派生する「大唐松尾根」。
8月お盆休みの前半は、この大唐松尾根経由で農鳥岳、ついでに白峰南嶺の北部を合わせて、2泊3日で行ってきました。


奈良田ダムの吊橋前の駐車スペースに車を停めて、5時半頃出発。
やや雲があるものの、まずまずの天気。

しかしこの日は、九州南部にある台風の影響で、湿った空気が入って天気が変わりやすく「山間部は雷雨があり激しく降る」という予報・・・
う~む、雨はともかく雷が心配。
それと、もう一つの懸念は3日間、”水場が無い”ということ。
小屋も無けりゃ、沢も無い・・・ということで、今回は500mlのペットボトルを14本+焼酎500mlを担いで行きました。
そこそこの重量ですが、今回は登攀具やロープがないから、まだマシかな?


取付き場所は、広河内林道のゲートにある「山の神」という石祠の直ぐ左から。


鉄パイプの整備された巡視路をジグザグ行くと、やがて奈良田第一発電所へと降り立つ導水管が。
発電所の施設が終わった後は、高圧線鉄塔の巡視路。
階段にはなっているものの、電柱が倒れていて、送電線をいちいち跨いで通過しなければならないし、傾斜もきつく、落ちたら谷へ一直線!・・・のようなところでした。


踏み跡がはっきりした尾根道を登って行くと、最初のピーク「雨池山(1936m)」に到着。
ゲートから約3時間、展望は無し。


雨池山のピークを越えたところから、地図とコンパスを見定め、進路をやや北向きに変えます。
コルからの登り返しは低い笹に包まれて、踏み跡も一気に不明瞭となる。1つめのチェックポイント。
唐松の多い登り一辺倒の尾根からは、高くそびえる大唐松山がちらほら。
改めて「先は、まだまだ長げ~な~」と、ため息が出ます。


2320m峰~2346m峰のピークを過ぎたところから、進路を西向きへ。
尾根がはっきりしているので迷わないですが、2つめのチェックポイント。


そして、いよいよ・・・というか、ようやく「大唐松山」の頂が前方に。
標高2561mあるその頂も、いつしかガスに覆われてしまいました。


鞍部からの登りが、また細尾根の急登!!
立ち木や岩を伝って慎重に登って行きますが、しかし寄りによって、危険なこの痩せ尾根を越えているところで・・・まさかの!?

ピカッ☆・・・


ゴロゴロゴロドド~~~~~~~ン

ひいい、マジかよ~~~~


突如の雷雨に・・・なんつうこった!
急いで、ザックから合羽を取り出して、いくらか雨を凌げる木の根元に身を潜め、雷が去るのを待ちました。


1時間くらい待って、ようやく雷の轟も遠くへ去り雨も止みましたが、また、いつ雷雨に見舞われるか?わからないので、先ずはこの急登を登って、大唐松山の山頂へと先を急ぎます。


雨で滑りやすくなった急登というか、岩場の登りは、かなり危険な状態でしたが、無事ピークへ。
古い標札と三角点がありました。


ここは見通しが良いピークで、それこそ雷様に見つかり、落雷の標的にされては溜まったものではないので、足早に立ち去り、さらに西へ進んでいくと・・・


穏斜面ですが、一張り行けそうなスペースを発見。
時間はまだ14時前でしたが、雨が止んでいるうちに、ここで幕営することに。

案の定、夕方からまた雨が降り出し、夜も降ったり止んだり。
焼酎呑んで、強制シャットダウンを試んだが、標高がある割には気温も高く、ムシムシして、なかなか寝付けない夜でありました。

果たして、明日朝は雨が止んでくれるのだろうか・・・?

翌朝・・・


未明までパラパラ降っていた雨は止み、林の隙間からは待望のご来光!!
軽く朝食を済ませ&テント撤収し、5時半出発。

樹林帯を抜け、さらに西へ進んでいくと・・・やがて、視界が開け


このロケーション!前方に、これから目指す農鳥岳の姿が・・・
って、まだまだ遠いなあ~・・・


間ノ岳、そして北岳の白峰御三家も、今日(今)はバッチグー。


南に富士山、良く晴れて天気よし!(今は)


でもって、ここからイヤになるほどの藪漕ぎが始まる。まあ覚悟の上。
樹木は全て水滴で濡れてるので、全身もうびしょ濡れ。


尾根沿いは、ダケカンバにコメツガ、そしてシャクナゲが覆い尽くしており、それを避けて北斜面側を薄い踏み跡を辿ってトラバースしていきます。


それにしても、時刻はまだ朝8時だというのに、もう白峰三山の3K級はガスがかかり始めてますし・・・早っ。


だらだらと長かった2500m代のアップダウン&トラバースは、ようやく終わりを告げ、いよいよ農鳥岳本峰の登りへ。


その登りはダケカンバの生えた草つき。高度を上げるにつれて、だんだん傾斜もきつくなりヒーコラ。
そして、いよいよ背丈以上のハイマツ帯へ突入!


ハイマツの枝は、少し刈り払われた跡があり、必然とそちらへ。


その踏み跡を、誘われるように突き進んでいくと、左が切れ落ちたガレ場へ。
左に見えるピークは、広河内岳かな?



背丈あるハイマツ帯を避けて、更にガレの縁を登って行くと、やがて岩壁にぶちあたり、さて何処を登れば良いのか?途方に暮れる。
落ちたらケガじゃ済みませんが、意を決して、ハイマツの枝に掴まって岩場の急斜面を登って行きました。お~こわ。


何とか岩場を越えれば、少し安堵。
バックに歩いてきた大唐松尾根。大きなピークが大唐松山。


背丈以上のハイマツ帯を越えるも、まだまだ腰高のハイマツがひたすら続いて、もうウンザリ・・・


やがてガレ場となって、ようやく歩きやすくなり・・・


そして、いよいよ稜線も近し!


大唐松山を出発して5時間で、登山道に合流。写真のX印のところから出てきました。


ザックをデポし空身で農鳥のピークへ。ここからはもう、ハイウェイに乗った気分でした。
ところが、そのピークへと向かう途中、またしても雨が降り始め・・・


合羽も持ってこなかったので、ずぶ濡れになってしまいましたが、無事、農鳥岳山頂へ。
正面の山は、西農鳥岳。


雨で全身ずぶ濡れになっても、達成感のほうが勝り、痛くも痒くもありませんでした。
どっちにしても、汗でびしょ濡れでしたし・・・


そして、これから向かう先は白峰南嶺。その向かう方向には、ニョキニョキと積乱雲?


ずぶ濡れだし、大唐松尾根をやっつけてお腹いっぱいだし、雷怖いし・・・
と、既に半分、大門沢降下点から「下山しちゃおうかな~」って、思ってしまっていた私・・・

さて、どうしよう・・・つづく