日付:2019年 5月25日(土)~ 26日(日)
場所:鈴鹿山脈 御在所岳・藤内壁
<1日目>前尾根P7~P2
<2日目>中尾根バットレス(カリフォルニア・ドリーミング3ピッチ)


各地真夏日となったこの週末は、会恒例の定期クライミングで御在所へ、総勢6名で行ってきました。

朝5時に静岡を出発し、途中トイレ休憩を入れつつ、8時頃に鈴鹿スカイラインの裏登山道ゲートに到着。
今年3月に伊勢湾岸道と新名神がつながって、アプローチも随分とスムーズになったのね~。

ゲート近くは既に満車でしたが、名古屋のハマさんが、朝早くから駐車スペースを確保してくれたおかげで、車も無事停められ一安心。
毎度毎度、ハマさんにはお世話になりっ放しで、ホント頭が下がる思いありやす。謝謝!


さて、今日の宴会場・・・じゃなかったお宿は、裏道4合目にある「藤内小屋」。
別棟のモンベル小屋を7人貸切で利用させていただけるということで、クライミングに不要な荷物はそのモンベル小屋にデポして、さっそく藤内壁へ。


目指すは正面の「前尾根」。
リッジには、既に大勢のクライマーが取り付いているようですが、果たして今日の混み具合は、如何ほどに・・・?


その前尾根P7基部ですが・・・
取り付く時間が遅いということが功を奏し、待っているのは1パーティーしかいない・・・ラッキー!
と思ったところが、なかなかこのパーティーが離陸するのに時間かかり、結局1時間待ち。
すっかり、待ちくたびれてしまいますた。


私のパーティーは、私リードでM野さんと県連ボスT本さん。
そして、後続のパーティーにカトさんリードに、TKさんとO野さん。
易しいクラックからカンテを登ってリッジへ、ノーマルルート(Ⅴ)を登りました。


お次のP6、出だしはハンドクラック。
右のハンドクラックからチムニーに抜けるルートにしようか迷いましたが、無難に左のリッジルート(Ⅳ)をチョイス。


P5は、北谷側ノーマルルート(Ⅲ)、コンテで登りました。


P5のピークは見晴らしの良いリッジ。


対面の中尾根をよく見れば、P2のオニギリにはハマさんの姿が!
「ハマさあ~~ん」と呼んだら、手を振って応えてくれました。
後で聞いた話では、中尾根のマルチは、この日貸切だったとのこと!


P4は、易しい北谷側の凹角ルート(Ⅲ)。
上部右にあるクラックを登ろうとしたところが、ロープの長さが足りなくなってしまい、おまけに重いわで、結局クラックを断念。
さらに右のカンテをトラバースし、細い灌木でピッチを切りました。
ロープが屈曲して、ロープアップでえらい目に遭いました💦

暑さも加わって、すっかりヘロヘロとなってしまい、P4のピークを過ぎたところで、遅いランチタイム。
一息入れて、お次はP3。


P3の1ピッチ目は、北谷側の細いクラックが走るスラブを初めて登りました。怖かったが無事オンサイト。
(あとで確認したら「スティックフィンガー(5.10a)」というルートだった。)


岩場に咲くイワカガミも、今が見頃。


P3の2ピッチ目は、顕著なハンドクラック越え。ハンドジャムもよく効いて快適でした。


このP3のピークには何故か?終了点らしいハンガーが見つけられず、ピナクルにスリングを巻いて、終了点を構築しました。
前尾根はナチプロを満遍なく使うし、こういう所がアルパインっぽくて楽しいですね。


そして、いよいよクライマックスのP2の櫓。
先行パーティーが離陸するまで、ここでも30分待ち。待っている間に数か所、ブヨに刺されてしましました。
ここもフェイスルート(Ⅳ)を登りました。随所にジャミングも効いて、マントル越えも問題なし。


でもって、終了点のある櫓台に到着して無事完登。マルチの醍醐味は、ピークで終われることに尽きます。
前尾根に登ったら、是非ここで終わりたいですよね~。


後続のカトさんパーティーのTKさんも無事登って・・・


全員揃ったところでハイチーズ!(って、私写ってませんが・・・)


登ってきた前尾根。後続はおらず、今日の前尾根は我々が最後のパーティーだった模様。
結構待ちもあったりで、すっかり日も西に傾いて影が伸びてしまいました。


下山は、P3~P2のコルから前衛ルンゼを下って裏道へ。中央のピークはP3。

藤内小屋には「夕飯は18時です」と言われていた、その時間にぎりぎり到着。
いやはや暑かったし、くたびれた~


夕飯も準備ができているということで、お待ちかねの時間。先ずはビヤーで乾杯!
クライミングで天日干し状態になった後のビヤーって、ほんと最高ですね!


藤内小屋からの四日市の夜景。
ハマさん差し入れワインに、TKさんのウィスキー、そして私が担いできた純米吟醸と酒が進めば、今宵も酔っ払いに・・・
この夜景を見つつ、小屋の露天風呂に浸かれば、極楽気分。
快適な一時を過ごすことができました。ありがとうございました。

翌朝・・・
6時に目を覚まし、外に出てみれば小屋の前には続々と朝早くから登られてきたクライマーやハイカーのみなさんが一息入れていました。
皆さん早いのね~。

朝飯を済ませて、7時半頃小屋を出発。


2日目は「一の壁」でアップした後、正面に見える大すべり台、「中尾根バットレス」をやる予定。
そして、今日もこの晴天・・・こりゃ暑くなりそう!って既に暑いのですが・・・


ほとんどのクライマーは、前尾根に取り付いた模様で、一壁はまだひっそりとしていました。
「3ルート(Ⅳ+)」をリードで登る、県連ボスT本さん。


私は、左端っこのⅣ級ルートを登りました。フォローのM野さんをパチリ。


一壁から見た前尾根、今日も蟻の行列。

各自1本登ってアップした後は、いよいよ中尾根バットレスの基部へ。
ルートは「カリフォルニア・ドリーミング」の3ピッチ。
何度か御在所に訪れているカトさんは、意外にもバットレスを登るのは初めてとの事で、「登れるかわかんねーぜー」とちょっとビビり気味。


先行で1パーティーが取り付いたところでしたが、後続は誰もおらずで直ぐに登れる状態?
と思いきや、結局30分ほど待って、私トップでクライムオン。
私のパーティーは、昨日と同じくM野さんにT本さん。
半年前にも登ってオンサイトした1ピッチ目ですが、いや~それにしてもスラブは心臓に悪い・・・
核心部でスリップし、咄嗟に目の前にあるヌンチャクを握ってしまいました。

2ピッチ目は、左トラバースしてギャップを乗り越え、スラブを右上。


そして、前回落ちた3ピッチ目。左上するフレークから上のスラブが核心。
細かいカチや結晶のようなホールドを拾いつつ、靴のフリクションを信じて登って行きますが、前回落ちたところでまたしてもスリップし、3mほどズルリ・・・うーむ、ムズイ!
何とかクリアして無事3ピッチ目の終了点へ。
各ピッチ毎に待ちが発生し、大分時間がかかってしまいましたが、フォローのお二人も無事?登って終了。
カトさんパーティーは、結局2ピッチ登ったところで終了するとの事。是非3ピッチ目を登って欲しかっただけに、ちょっと残念。


お昼前に終える筈が、懸垂下降して基部に降りたったのが13時半過ぎ。
暑さも加わって、会の皆さんだいぶお疲れ気味なので、ちょっと早いが14時には撤収し下山しました。

前尾根も中尾根バットレスも、今回は自分のペースで登ることができなかったのが残念でしたが、まあ、これが御在所なのかな?
それにしてもこの2日間は、とにかく暑かった!
北海道の佐呂間町ではこの日、ナント40℃近い猛暑日になったとか・・・

前尾根もいろいろバリエーションルートがあって面白いですが、次は中尾根のマルチをリードして登ってみたいですね。
皆さん、お疲れ様でした。