日付:2019年11月16日(土)~ 17日(日)
ルート:南アルプス 白峰南嶺(東河内山域) 山伏~小河内山~水無峠山


大井川(東俣)左岸稜、南アルプス農鳥岳の南から安部奥の山伏(やんぶし)までの稜線を「白峰南嶺」と呼んでいます。
その白峰南嶺の中でも「青薙山」の以南、東河内を源頭に持つ山域は、特種東海製紙の縄張りからも外れ、手つかずの自然が残る貴重な山域として、私的にも興味を抱いている所です。
その山域に「鹿ノ子池」という池がある事は、永野氏の著書「南アルプス深南部 藪山讃歌~知られざるルート94選」を読んで知ってはいたのでしたが、そこに数回訪れているトシゾーさんから「素晴らしい所だよ~」と、1年前からお誘い頂いていたのが、今回訪れるきっかけなのでありました。

どうせ行くなら、今年出会った方々、お酒好きな皆さんを誘って!!
・・・という事で、今夏と先々週、南アルプスを一緒に歩いたAiさんと、そのAiさんが南アルプスで知り合ったというフェミエミ夫妻、百間洞で出会ったさっちゃん、藪山大好きChikaさん、そしてトジソーさん夫婦に私という総勢8名の大所帯で行ってきました。


朝7時に静岡市街地を出発し「静岡県民の森」がある林道勘行峰線をさらに北上、百畳峠の駐車場には9時半頃に到着。
駐車場からは、笹に覆われた雰囲気良さそうな「小河内山」を見ることができました。今日は、絶好の山日和!

しかし、今日の(も?)トシゾーさんと私は、相変わらずの二日酔いで頭フラフラ・・・
前夜は市岳連の忘年会があって、21時過ぎに東京から静岡入りしたAiさん&フェミエミ夫妻、それに長野から来たさっちゃんが、トシゾーさん宅に到着した頃には、呑兵衛1号2号ともにエンジン全開!

翌日は、呑み会山行なんだから、お酒は程々にしておかなくては・・・
なんて注意はしていたつもりでしたが、酒蔵で働くさっちゃんが、事もあろうに?うまい純米酒を持ってきてくれたものだから、呑まない訳にはいかないじゃん!
・・・ということで、結局午前様💦

は~呑兵衛はや~ね~


ゼーゼーハーハー、アルコール臭を吐きつつ、百畳峠の登山口から先ずは山伏へ。
私、ここから山伏へ行くのは初めてかも・・・
この上にある「百畳平」は、とても雰囲気の良いところで、特に雪のあるシーズンがお薦め。


休日&山日和ということで、山伏の山頂には大勢のハイカーがおりました。
ドローンで上空を撮影していたおっちゃんから、そのパノラマ映像を見せてもらったり・・・


山伏と言えば、この南アルプスの展望ですね。今夏縦走した主峰も、ようやく冠雪して冬の様相。


山伏から、ちょっとガレた急登を下って、次目指すは「小河内山」。


通行止めとなっている「井川雨畑林道」の山伏峠からは、布引山と笊ヶ岳の展望。
紅葉前線も、だいぶ下の方になりました。


「小河内山」の登りもなかなかの急登。日差しは強いですが、谷側から吹く風がなんとも心地良い事。
立ち止まると、ちょっと寒いくらいがちょうど良いかな?


一つ目のピークを越えて、間もなくして三角点があるピークへ。しかし何故か?山頂を印す標識がない。
そのピークを越えて行くと、目の前には・・・


何とも開放的な、この景色!


この素晴らしい景色に皆さん、しばしうっとり・・・
遠望に大無間山と風イラズの稜線も良く見えました。この「風イラズ」というマニアックな山に、さっちゃんは興味津々。


笹原の大海原を過ぎると3つ目のピークへ。このピークには、山頂標識がありました。
三角点があるピークが二峰で、ここが三峰だとのこと。一体どれが「小河内山」の山頂なのかしら?


三峰を過ぎると、ルートとなる目印もとたんに少なくなり・・・


最後のピーク「水無峠山」の山頂はだだっ広く、どこがピークかわからない程。
そして、とっても複雑な地形がこの山の特徴。
進路を南西向きに変え、本日の目的地である「幻の池」を探すべく、トシゾーさんの勘を頼りに下って行きます。


二重稜線のような窪地で一息。今回初めてご一緒したフェミ&エミ夫妻。
今夏の南アルプス大縦走の時、私とトシゾーさんは、雨降る「高山裏避難小屋」のところで、お二人とニアミスしてたとか!?もうびっくり!


アメリカ人のフェミの鼻歌(小田和正)を聴きながら、更に下って行くと・・・
ルーファイしながら先頭を歩くトシゾーさんから、「あったよ~」の叫び声が!


静寂に包まれた原生林の中に、その幻の池と言われる「鹿ノ池」がありました。
トシゾーさん、ナイスルーファイ!・・・後続はお気楽でした。


源頭から流れ出る沢水が池として溜まり、その池から更に水が流れ落ち・・・


その流れ落ちる沢を、さらに下って行くと・・・


おー!何という素晴らしいロケーションだこと!これぞ秘境の地。
紅葉は既に終わってましたが、下には落ち葉が敷き詰められ、これはこれで良い感じ。




目的地に着いて、まずやる事と言ったら、ビヤーを冷やすことですね!
しかし誰だ~!一升瓶丸ごと担いできたのは!って、もう決まってるか誰だか?


テントを張って、寝床を確保し・・・


皆さん揃ったところで宴の始まり、先ずはビヤーで「お疲れー」の乾杯!
いや~今日もお酒の旨い事!皆さん、特に日本酒が大好きだと言うし・・・


とくれば、これを担いできた1号さんのこの笑顔!
地元、由比の純米吟醸「正雪」を持ち上げてきてくれました。ありがとう!


呑兵衛が集うと、その一升瓶もあっという間に無くなり、酒蔵で働くさっちゃんが持ってきてくれた純米吟醸がやや辛めで、これまた旨し。
そして、Chikaさんからもフルーティーで呑みやすい日本酒が続々と・・!


お酒が回ると宴もたけなわ、学生の時はコーラスをやっていたというフェミが、素晴らしい唄声を披露してくれました!
「Stand By Me」やビートルズの「Hello Goodby」、そして「Yesterday」・・・これには、皆さんうっとり!
最後は「Hey Jude」をみんなで大合唱!
なんか、ホントにHotで楽しい夜でした!Thank You Fehmi!

翌朝・・・

よく呑んだおかげで、朝まで爆睡。最後は、さっちゃんと一緒に呑んでいたような・・・


よく食べたしよく寝たので、二日酔いもなく初日よりも体調は万全!

そういえば、私は芋焼酎をペットボトルに詰めて持ってきた筈なのに、何故か?その芋焼酎が見当たらない!?
という事を、朝になって気がつきました。
トシゾーさんも呑んでいないと言うし、記憶を辿ってみると、茹でたパスタがクソ不味かったような・・・はっ!
どうも水のつもりが芋焼酎でパスタを茹でてしまった・・・と気がつくも、後の祭り。
・・・もう皆さんに大笑いされてしまいました。
「美味しい焼酎だったのに~」と、ちょっとショックでしたが、まあ自業自得。

テント場を撤収し、7時半過ぎに出発。


やっぱり源頭を見届けないと・・・ということで、「鹿ノ子池」に注ぐ沢の源頭部を見に行きました。


その源頭部で、皆さんと記念写真。


とても不明瞭で複雑地形の尾根を登り返して、昨日来た道を戻ります。
2日目も、すこぶる天気よし!


急いで帰る必要もないので、この開放感ある笹原でまったりしたり・・・


エミさんが、私達がまったりしているところを、下から撮ってくれました。


下を流れる大井川の右岸側には、大無間山と大根沢山。
先々週、テント泊したばかりのアザミ沢のコルも、なんだか懐かしく思ったり・・・


山伏を経由し、12時には百畳峠の駐車場に戻り下山しました。

無雪期の山行も、今シーズンはこれで最後でしょう。
今年は、トシゾーさんが肩を手術したこともあり、クライミングよりも歩く機会が増え、一緒にいろんな山を縦走しました。
特に8泊9日の南アルプス大縦走は、とても印象に残る山行となりました。
縦走中に襲来した台風が、偶然にもAiさんやさっちゃん逹との出会いのきっかけとなり、またこうして再会し、一緒に山でお酒を呑めたのは、ホント私の財産です。
「鹿ノ子池」という素晴らしいロケーションの中、同じ時間を共有できた事をうれしく思います。
皆さん、また何処かの山で、お酒持って再会しましょう!