日付:2020年 8月 1日(土)~ 2日(日)
ルート:八ヶ岳・横岳西壁 大同心雲稜~小同心クラック~横岳~硫黄岳

<1日目>
美濃戸P(16:53)→赤岳鉱泉(18:20)
<2日目>
赤岳鉱泉(5:27)→大同心雲稜基部(6:30)→大同心の頭(9:23)→小同心基部(10:15)→小同心の頭(11:23)→横岳(11:44)→硫黄岳(12:40)→赤岳鉱泉(13:20)


コロナ禍による緊急事態宣言以降、休業を余儀なくされていた八ヶ岳の赤岳鉱泉が、8月1日から営業を再開させる!と言うことから、イデッチ&ツッキーを誘って、夏の八ヶ岳アルパインに行ってきました。


この日は富士五湖の一つ、西湖にある十二ヶ岳でクライミング会山行に参加した為、八ヶ岳の美濃戸に到着したのが、夕方の17時前。


休憩もほとんど入れず頑張って歩いて、約1時間半ほどで赤岳鉱泉に到着。
何とか明るいうちに到着できて、安堵するも・・・ナント!!
小屋の周りは、今まで見たことの無い程のテント村となっており、張る場所なーい!


あちこち探し回って、緩斜面ではあるけど林の中に張れそうな場所を見つけ、今夜の寝床を確保、ホッ。


一応、小屋泊は可能なようですが、夕飯はやっていないので、小屋の中は閑散としていました。
登山者のほとんどが、テント泊で来られている状況なので、逆にテント場の方が密集している感じでした。
到着が遅かったので、夕飯も急いで食べて、呑む方も程々の量?にして、21時前には寝床へ。


翌朝、4時起床。
お酒を沢山呑まなければ、こうも頭がスッキリした朝を迎えられるんだな~!って、つくづく思っちゃいました。
二日酔いも無く、体調胃腸は万全。
小屋のベンチでゆっくり朝食を済ませて、5時半には大同心へと出発。


大同心沢に入って尾根に取り付き、急登をへいこら登って行きます。


右手には、朝日を浴びた赤岳と阿弥陀岳。いや~素晴らしいクライミング日和となりました!


テント場を出発して、1時間弱で大同心の基部へ。
八ヶ岳アルパインの中でも最もメジャーなルート、既に取り付いているパーティーがいるのでは?と思いきや、全く声がしない・・・


よく見れば・・・壁にも基部にも誰もいない!なんと一番乗り、ラッキー!
待ちが無いということは、自分たちのペースで伸び伸びと登れるって事ですね。
1~4ピッチは私リードで登って、最後の核心5ピッチ目は、ツッキーに登ってもらうことに。


その1ピッチ目、薄被りのハングがありますが、ガバガバで簡単。


2ピッチ目は、凹角のつるつるスラブの通過が難しくA0越え。唯一フリーでは難しい所かも?


3,4ピッチ目は難しくはありませんが、浮石(しかもデカい)が多く注意が必要。
ホールド&スタンスは大丈夫か?確認しながら登って行きます。


イデッチも、でかい浮石に触れ「怖え~」を連発。


順調に登って、4ピッチ目終了点のあるドーム下のバンドへ。それにしても、すこぶるこの景色!
コロナ自粛というのもあるかもしれませんが、休日の晴れた日に、大同心雲稜が貸切状態だなんて・・・こんな事もあるんですね~。


最後の5ピッチ目は、お約束通りツッキーがリード。
このピッチは、ペツルのハンガーが打たれているので、精神的に安心です。


最後のハングもノーテンで越え、無事オンサイトで登りきりました。やるな~


私とイデッチも登って「大同心の頭」に全員揃えば、恒例のハイチーズ!


横岳の山頂には大勢のギャラリー。最後の5ピッチ目は、登っている姿が山頂から丸見えなんですね~。

腹は空いたし喉もカラカラ、少し一服して時計を見れば・・・ナント、まだ9時半!
このまま下山するのはもったいないので、初めてここを訪れているツッキーの希望で、お隣の「小同心」も登ってみることに。


大同心のドームを懸垂下降し、ルンゼを歩いて降りて、小同心へと向かいます。
振り返って大同心の様相。
雲稜に1パーティー、そして南陵には1パーティー取り付いているのが確認できました。


前方に小同心。こちらも全くクライマーの声がせず、基部も壁にも誰もおらずで貸切でした!


私にとっては、5年前に登ったクライミング教室以来の「小同心クラック」。
その時は、オールリードで登らさせていただきましたが、今回はツッキーにオールリードで登ってもらうことに。
1ピッチ目は、ガバガバで傾斜もないので簡単ですが、プロテクションが取れないのでちょっと怖い・・・


2ピッチ目以降は、凹角が狭まってチムニーっぽくなりますが、ホールド&スタンス豊富で快適。


2ピッチ目を登るセカンドのイデッチ。


左に見えるは、先ほど登った大同心。なかなかの高度感!


3ピッチ目は、途中のテラスを越えて、一気にピークの「頭」まで登ってもらいました。
50mロープが一杯になる寸前でしたが、ギリギリセーフ。
フォローのイデッチと私も登って・・・


無事、小同心の頭へ。「めっちゃ、楽しいっす!」連発のツッキー。
だいぶ、マルチのリードも慣れてきたかな?


左手に見えるは、大同心とバックの山は硫黄岳。


振り返って、小同心の頭。ここからは、念のためコンテで横岳山頂に向かいます。


そして、山頂へ!メジャーな2つのアルパインルートも貸切だったおかげで、午前中いっぱいで登りきる事ができました。


「コマクサ」の花はもう終盤でしたが、まだチラホラと。


「チシマギキョウ」に・・・


「タカネツメクサ」は至る所に。


帰りは硫黄岳経由、花を見ながらの稜線歩きは良いですね~。


可愛らしい姉妹の女の子から「こんにちは~」と、にこやかに挨拶されつつ、速攻で下って13時半前には、赤岳鉱泉へ下山しました。

八ヶ岳といえば、このところ冬しか訪れていませんでしたが、久しぶりに夏の八ヶ岳を満喫できた1日でした。
やっぱり、アルパインクライミングは、これぞ山登り!って感じがして楽しいですね!
まだまだ先の見えないコロナ禍の世の中ではありますが、大好きな赤岳鉱泉が、また今まで通りの営業状態に復活し、名物のステーキが食べられる日が早く来る事を、切に願うばかりです。