日付:2020年 9月 5日 (土)
場所:太刀岡山 太刀岡山左岩稜

7月の長雨、8月の猛暑、そして9月に入ったとたんに戦後最大級の猛烈台風が、九州に接近中と・・・いやはや、これからの台風シーズンが一体どうなるのやら?と、先が思いやられてしまいます。

この日も、接近する台風の影響によって午後から雷雨となる予報でしたが、クライミング成長盛りのツッキーが「太刀岡のマルチを登りたい!」と熱く語るので、その要望に応じて太刀岡山左岩稜へ行ってきました。


朝8時半過ぎに、太刀岡山登山口の駐車場へ到着するも、やっぱりガラガラ。
流石にこんな暑い時期は、太刀岡へ訪れるハイカーもクライマーもいないですね~。


もちろん下部のメインエリアは誰もおらずで、左岩稜マルチは貸切状態!
暑いながらも3ピッチ目迄は、日射しを受けないから、まだマシかな~。

さて、私にとっては4年ぶりの太刀岡山左岩稜。
核心クラックの1ピッチ目は、お約束通り、
やる気満々のツッキーにリードしてもらうも・・・


熱い気持ちは空回りし、カムをセットする度にテンテンの各駅停車・・・まだまだ修行が足らんな~。
(って、私に言われたくないか・・・)


クライミングを始めたばかりのコージンも、慣れないハンドクラックに四苦八苦。
ハンド・フィストバチ効きなのにね~。クラックは、これからじゃんじゃん触って練習すべし!
(って、私に言われたくないか・・・)


「モリッシーさん、リード代わってください!」と、既に1ピッチ目でヘロヘロのツッキーが言うので、2ピッチ目は私リード。
一見ジャミングしないと登れないようにも見えますが、左奥にはガバもあるしスタンスもあるので意外と簡単。
4年前はフォローで登った2ピッチ目でしたので、今回リードできたのは良かったかな。


3ピッチ目はチムニーですが、簡単なスラブ(だった筈?)なのでコージンにリード交代。
先ずは、3mくらいのクラックを抜けて登って行きましたが・・・
その後は、何故か?なかなかロープが出て行かず、おまけに「テンショーン!」のコール??どこ登ってんだ~?
結局30分くらい経って、ビレイ解除の合図。


コージンは、どうもチムニーを登って行かず、チムニーの奥に入り込んだ様子。
おかげでフォローの私は、その奥にセットされたカムを回収させられる羽目に。。。


3ピッチ目の終了点に着くと、遠くから12時の時報が・・・え~もう正午!
3ピッチ終わって、ここまで2時間半って・・・時間かかり過ぎ~。


4ピッチ目は、ツッキーがリード。


右上するバンドを歩いて行くと、いよいよ日当たりの良いリッジへ。セカンドのコージン。


ツッキーは、50mロープを目一杯伸ばし、あと5m残したところでピナクルに終了点を構築していました。
このピッチは、ギャップを跨いでリッジに移るところが、ヒヤッとします。

5ピッチ目は、コージンがリード。
40mほど伸ばして、ペツルのハンガーボルトとリングボルトがあるところでピッチを切っていました。

しかし・・・


先ほどまでは青空だったのに、いつの間にやら分厚い雨雲が漂い始め・・・
そして、遠くからは「ゴロゴロ・・・」と轟・・・!!急げ~

・・・ということで、6ピッチ目は駆け足で私リード。
実質7ピッチ目の終了点をやり過ごし、恐ろしいナイフリッジを四つん這いになって通過します。
ロープ一杯のコールギリギリでしたが、ハサミ岩広場の手前にある立ち木でピッチを切りました。


左右切れ落ちた、恐ろしいリッジに立ち上がるツッキー!
最後のこのピッチは、背中ゾクゾクしてフォローもしびれます(急いでいたので写真なし)。


フォローのツッキー&コージンも無事リッジを越えて、ハサミ岩の広場に到着すれば、登攀終了。
何とか雨に降られずホッ!と思うもつかの間、アプローチシューズに履き替えて、キンクしたロープを解していると・・・
上空から早くも雨粒が・・・そして、それと同時に、

「ピカッ・・・・ゴロゴロGORO~!!!」


先週の小川山に続いて、土砂降りの中の下山となってしまいますた。。。

お昼頃には下山できるかと思いきや、時間は既に14時・・・ちょっと時間かかり過ぎですね~。
何とか登攀中に降られずには済みましたが、アルパインではスピードも大事。
クライミングを始めて間もないツッキーもコージンもリードで登って、良き経験になったと思います。

私が4年前に初めて登った時は、カムを残置させてしまい、悲しい思いしか印象に残っていなかった「太刀岡山左岩稜」ですが、今回は、改めて良いマルチルートだな~と感じました。
ラインを引いてくれた篠原・松原ガイドに感謝!
太刀岡山は暑い季節ではなく、紅葉の綺麗な時期にまた訪れてみたいですね。