日付:2020年12月 5日(土)~ 6日(日)
ルート:聖岳東尾根 出会所小屋跡~白蓬ノ頭~聖岳~聖平小屋~聖沢登山道より下山

<1日目>
聖沢登山口(8:03)→出会所小屋跡(8:43)→ジャンクションピーク(11:09)→白蓬ノ頭(13:03)
<2日目>
白蓬ノ頭(6:43)→東聖岳(7:30)→奥聖岳(8:40)→前聖岳(9:10)→聖平小屋(10:47)→聖沢吊橋(13:31)→聖沢登山口(14:51)


早いもので、季節はあっという間の12月。
いよいよ雪と氷まみれになる季節となりつつも、静岡の市街地から見える南アルプスや富士山には、まだまだ雪が無い!
本格的な冬山シーズンとまでは行きませんが、12月最初の週末は、コージン、ツッキー&私の3人で、南アルプス聖岳・東尾根へ!一足先に冬の足慣らし?に行ってきました。


東俣林道の沼平ゲートを抜け、8時前には聖沢登山口へ。


登山口から植林帯を40分ほど登って行けば、東尾根の取付きとなる出会所小屋跡へ・・・?
の筈が、その出会所小屋跡が何故か見当たらない??
従来あった登山道は崩落しており、それを巻く形で小屋跡よりも50mくらい上に、新たに登山道ができておりました。


東尾根の支尾根は、薄い踏み跡も付いていて、至って快適。


標高2,000m辺りからようやく雪も現れ、冬山らしくなってきました。
昨夜は少し雨が降り、標高の高いところは雪になったのでしょうけど、この日もこの季節にしては気温は高め。


登山口から、3時間ジャストで「ジャンクションピーク」に到着。標高は2,260m。
ここから進路を西にして白蓬ノ頭方面へと向かいます。


しかし・・・標高を更に上げても積雪は一向に増えず、足のくるぶしくらい。
新雪なのでアイゼン付けずにサクサク登っていけます。
デコボコが雪で消える分、雪が無い時よりも快適に歩けるかも?


シラビソの樹林を抜けて、ダケカンバの林に出れば白蓬ノ頭は、あともうちょい。


そして、北に赤石岳がドカンと目に入れば、白蓬ノ頭に到着。標高は2,632m。
赤石岳もまた、12月だというのにほとんど雪が付いていない!


そして、コチラが聖岳。私は、ここを訪れるのは3回目。
この角度から見る聖岳は、ピラミカルな三角形をしており、何と美しい事!


ここに初めて訪れたツッキーも「ここで撤退しても満足です」と言うくらい深く感動していたし、天気が最高なのが幸いでした。


時間はまだまだ13時過ぎ、だだっ広い尾根上にテンバに良さそうな所を見つけて、寝床を確保。
激藪だった東尾根のハイマツも、事前情報では「枝払いした」と聞いていたので、ちょっとだけその様子を偵察しに行く事に。


いや~それにしても見事に刈られました。もう一般道と同じですね。
ここを、へいこら枝を踏みつつ藪漕ぎしたのは、今から6年前でした。


テンバに戻ってやることと言えば、もう呑むっきゃないでしょう!
この冷え冷えビールが何とうまい事!

今回は、雪から水が取れない事を覚悟して、私は水4リッターとお酒約1リッターを荷揚げしました。
テントの中があまりにも暖かくて心地よく、3人とも酔いが回って気がつけばウトウト状態・・・
ツッキーは、速攻でいびきかいて寝てしまってるし・・・
そのまま朝になるのはマズいので、少し仮眠を取った後はしっかりと夕飯も食って、19時にはお開きに・・・


翌朝・・・5時起床。
明け方はそんなに冷え込むことなく、朝までしっかり眠ることができました。
逆に暑くて、少し汗ばんだ程・・・


朝飯食ってテントを撤収した頃には、ご来光もお目見え。
これから雪の付いたリッジのある稜線歩きとなるので、アイゼン&ピッケルの完全冬武装で出発。


昨日、偵察で付けたトレースを辿って、もくもくと歩いていくと、やがてハイマツ帯へ。


いや~それにしても、今日もすこぶる青空!
そして、昨晩までビュンビュンしていた風も今朝になって止み、最高の山日和となりました。


もうこの景色にツッキーは興奮し、私とコージンを置いてどんどん駆け上がって行ってしまうし・・・
これが白銀だったら尚良かったでしょうけど、今回はちょっとというか、完全に雪不足ですね。


振り返って白蓬ノ頭。
激藪のハイマツ帯も、今や難なく&迷いも無く通過する事ができました(テープもべたべた)。


右手には、ドカーンとそびえる朝日を浴びた赤石岳。その奥には悪沢岳も。


前方のピークが東聖岳、標高は2,800mジャスト。


またまた振り返って、歩いてきた稜線。左のピークが東聖岳。


コージンも、3年越しでやっと来れた東尾根に嬉しそう。


向かって左手には上河内岳。我が家がある静岡の市街地方面は、雲海が広がっていました。


次のピーク、2,880m峰を登って行くと・・・


いよいよ、聖岳の本峰がお出まし。
この三角形が幾つも重なるこの場所が、なんともソソラレル絶景で素晴らしいの一言!


コルに降りて、奥聖岳の登りへ。
無雪期は尾根沿いではなく、左のガレ場をトラバースして左のルンゼに取り付きますが、今回は尾根沿いを直登することに。


もう少し雪があれば歩きやすくなるのでしょうけど、今回は未だハイマツも出て夏山状態。


またまた振り返って、東尾根の稜線。
一部リッジとなって危険個所がありますが、そこを越えれば明瞭な踏み跡となり・・・


そして無事、奥聖岳の頂へ!
東尾根を3人で突破できたことが、私にとって一番うれしく感じました。


富士山バックに、私の写真を1枚。
今年の富士山は、全くと言っていいほど雪がありませんね~。


ここから先は一般道。平坦な吊り尾根を、ゆっくり歩いて前聖岳と呼ばれる山頂へ。


約1年半ぶりの山頂。
前回は南アルプスの大縦走中で、ここに着いた時は台風が通過した直後の暴風雨の最中でした。


その時、大変お世話になった「百間洞山の家」の方面も、全く雪は無し。
行動を止めると体が一気に冷えるので、写真を撮った後は、即下山開始。


下山ルートは、一般道である聖平小屋方向へ。
東尾根からの美しい聖岳の山容を見た後だけあって、こちらの一般道からの山容は、今一つパッとしませんね。


11時前には、聖平小屋へ到着。小屋に設置された温度計を見れば、4℃・・・暖かすぎー!
今年の夏は、コロナの影響で営業取り止めを余儀なくされてしまいましたが、来年こそは営業再開して是非、頑張っていただきたいものです。


聖平小屋を後に、聖沢沿いの一般道を通って登山口へと下山しましたが・・・


まあ予想はしていましたが、北斜面をトラバースする登山道は至る所崩れていて、悪いの何の・・・
1個所、ピッケル出して通過しました。沢の渡渉も氷結してつるつる滑るし・・・


ザレザレ&落ち葉で覆い尽くされた急登を慎重に下って、聖沢吊橋まで来れば一安心・・・?


と思いきや、沢沿いのトラバース道はこれまたザレザレで踏み跡も消え、所々崩落も・・・
今年は、コロナ禍で登山道も閉鎖となったことから整備も行き届いておらず、これが一般道?と思える程、ルートとしては大変危険な状態でした。
冬場は、絶対入っちゃいけないルートですね~。


何はともあれ、15時前までには登山口に到着し、無事下山。
久しぶりの本格的な山歩きで、私はヘロヘロになりました。
やっぱり、月一は山へ行かないとダメだな~と痛感。

まだまだ雪も少なく、気温も高めで推移している12月ですが、これからの雪と氷の季節を楽しんでいきたいですね!
もちろん、フリーのほうも少しは頑張らないと・・・