日付:2021年 7月18日(日)
ルート:八ヶ岳・横岳西壁 大同心雲稜ルート

美濃戸P(4:00)→赤岳鉱泉(5:20)→大同心基部(6:40)→大同心の頭(9:30)→横岳(10:02)→地蔵の頭(10:44)→行者小屋(11:15)→美濃戸P(12:44)


始まる感のない「東京オリンピック」のキックオフが、いよいよ来週に迫るも、国内のワクチン接種はまだまだこれからの状況・・・
海外からのコロナ持ち込みの懸念がある中、開催しても大丈夫なのかどうか??
ホント、大会が無事に終わる事を切に願うばかりですね~。

さて、関東・甲信越そして東海地方も梅雨明けし、厳しい暑さとなったこの週末は、来週に迫ったオリンピック・・・ではなく、夏の剱の予行練習で、八ヶ岳を代表するアルパインルート「大同心雲稜」を登ってきました。


まだ暗い早朝4時に美濃戸の駐車場を出発し、ほぼノンストップで「赤岳鉱泉」へ。

日射しの無い朝は空気がヒンヤリしていて、Tシャツ1枚では寒いくらいでしたが、日が昇れば気温も一気に上がって、今日は灼熱になる事間違いなし!?
小屋で小休憩&登攀準備して、5時半には大同心の基部へ向けて出発。


「大同心沢」に入って尾根に取り付き、急登をへいこら登って行くと、まもなくして「大同心」と「小同心」の岩壁が目の前に。


向かって右手には、赤岳と阿弥陀岳の主稜。それにしても、今日は雲一つ無く良い天気だこと!


遠方には、残雪を頂いた北アルプスの稜線もくっきり見えました。もうすっかり、夏山の季節ですね~!


赤岳鉱泉のあのテント村を見る限り、誰かしら取り付いているだろうと思っていた大同心ですが、意外にも全く声がせず、ナント一番乗り!ラッキー!


待ちが無いという事で、早速、ウスヤン&ツッキー組が先行でクライムオン!
1ピッチ目のリードはツッキー。ハング越えも難なく越えて行きました。


私のパートナーは、前回の瑞牆に続いて今回もコージン。その1ピッチ目はコージンリード。
コージンは初めての雲稜なので、全ピッチのリードをお願いしようか?とも思いましたが、スピード重視の"つるべ”で行くことにしました。
1ピッチ目のハングはガバガバだし、岩も安定しているので問題なし。


2ピッチ目は私リード。凹角のスラブ越えが難しいですが、躊躇なくA0して越えました。
写真は、2ピッチ目をリードするウスヤン。凹角スラブは普通にフリーで登ったとか?・・・初見なのに、いやはや流石。


2ピッチ目は草付き交じりとなりますが、ハズレの踏み抜きスタンスもあるので要注意です。


3ピッチ目は、コージンリード。
グレード的には大した事ありませんが、ここから4ピッチ目にかけては、浮き石多発地帯なので更に要注意。
一つ一つホールドが動かないか確認し、安定した岩を選んで登って行きます。


4ピッチ目は私リード。浮き石に気をつけつつ、グイグイ登って行きます。
5ピッチ目とつなげるべく、最後は右へトラバースするバンドが、なかなかスリリング?


4ピッチ目の終了点には、テンション上がりっぱなしのツッキー。
バックは、登山者でにぎわう「横岳」の山頂。


「ドーム」と呼ばれる最後の5ピッチ目は、コージンリード。
落ちついて登って、無事オンサイトでトップアウトしました。
ここは稜線上にいる登山者からも丸見えなので、間違っても落ちれませんよね~(笑)


リードは大変ですが、フォローは気楽で最高!
ツッキーが、なかなか高度感のあるアングルで私を撮ってくれました。


そして全員揃ったところで、お約束のハイチーズ!
登攀中はずっと日陰だったので、暑くも無く快適でしたが、天辺に出たとたんに日射しがジリジリして、もう暑い暑い!


大同心は終始貸切でしたが、お隣の小同心には2パーティー取り付いていました。


稜線上から見た「大同心」。
まだ朝の9時半ですが、暑い上に担いできた水も少なくなったので、予定通り?稜線上の登山道に出て、地蔵尾根経由で下山する事にしました・・・


が、横岳山頂までの登りが予想以上にきつく、大同心の基部へとっとと降りてしまえば良かったと後悔するも、後の祭り・・・

横岳から以南は、アップダウンが激しいのでもう大変。。。
手前のピークは「三叉峰」だったかな?


暑くても&きつくても、足元に咲く花が私の心を癒してくれました。
「コマクサ」は終わってましたが「チシマギキョウ」は、今が最盛期。


そして、この景色にも癒されまくれ・・・ここは360°の大パノラマが広がり、素晴らしい所ですね~。


予定通り「地蔵尾根」を下って、行者小屋へ。


速攻で下って30分後には「行者小屋」へ着きました。
蛇口から出る、飲み放題の冷たい沢水がうれしかった~。

その横にある冷えたビール(500円)を買うのをぐっと堪え、13時前には美濃戸の駐車場に到着してヤレヤレするも・・・
ツッキーのザックの中にある筈であろう車の鍵が・・・
何故か?何処にも見当たらない!?

まじかー!!!

どうも、スマホを出した拍子に車の鍵を何処かに落としたらしく、その後はどう対処するか?で、てんやわんや・・・。
山小屋へ電話してみても鍵は拾われてはおらず、結局、茅野市でレンタカーを借りて静岡まで帰るというハプニング付きで・・・(詳細は、話長くなるので割愛)

ホント、最後の最後でえらい目に遭いましたが、何はともあれ、来週の「剱」に向けての良き?予行練習とはなりました。
改めて、山に入ったら貴重品は落とさぬよう、管理はちゃんとしないと・・・ですね!