日付:2022年 7月 1日(金)~ 2日(土)
ルート:北岳・バットレス(dガリー大滝~4尾根主稜~北岳山頂~八本歯のコル経由で下山)
<1日目>
広河原(9:58)→二俣(12:00)→dガリー大滝基部下見(14:40)
<2日目>
dガリー大滝基部(4:44)→4尾根テラス(6:12)→登攀終了(8:25)→北岳山頂(9:30)→トラバース道経由八本場のコル(11:10)→白根御池小屋(12:50)→広河原(14:19)
<2日目>
日が変わって、未明の2時半に目覚ましが鳴り、仕方なく起床。
標高2500mくらいある筈なのに、やたら蒸し暑く、あまり寝付けないまま起床の時刻となってしまいました。
隣で寝ていたリュウも寝苦しかったらしく「寝た気がしない」との事。
朝食&テント撤収し、予定通り朝4時には出発。
途中、c沢に降りて飲み水を確保し、踏み跡が明瞭なc沢とd沢の尾根筋をもくもくと登って行くと、やがて「dガリー大滝」の基部へ。
その基部には誰もおらずで一番乗りの様子。ラッキー!
わずか15mくらいの雪渓を登る為、サブザックの中からアイゼンケースを取り出すも、その中から1本爪のリンクスが出てきたのには、もうビックリ!
「持ってくるアイゼン間違えた~!」
セミワンタッチの靴に、ワンタッチのアイゼンを無理やり付けて、無事岩場へと取り付きました。
振り返れば、鳳凰三山・観音岳のピークからご来光が!
シュルンドがある雪渓の先端あたりは、ご覧の状態。岩場への取付きは要注意ですよ!
さて、計画では「5尾根」を登って行く予定でしたが、ココを初めて訪れるリュウが「dガリー大滝」から登ってみたい!と言うので、先ずはリュウがリードでクライムオン!
その「dガリー大滝」ですが、確かにⅣ級程度ではありますが、ホールド&スタンスは昨夜の雨で濡れてるし・・・
しかもリュウは、思いっきりランナウトして登ってますし・・・
「思ったよりも悪かった~」と苦笑い?するリュウをパチリ。
ほぼ60mロープ一杯延ばしてくれたおかげで、横断バンドの取付き付近まで1ピッチで来れました。
その横断バンドはコンテで取付くも、そこの通過も悪い事!
さて、何処が横断バンドか?わかるかな?
横断バンドをcガリー側へトラバースし、更には雪渓が付いたcガリーの右岸側を、これまたコンテで登って行きました。
そして、取付きが雪渓で埋もれていたヒドンスラブもプロテクションが取れないので、そのままコンテで登り・・・
でもって、そこを過ぎれば4尾根テラスに無事到着。
「dガリー大滝」の基部から約1時間半で取り付く事ができました。
私達パーティーの前にも後にも誰もおらずで、4尾根は貸切状態!
よって自分達のペースで、気持ち良く登っていけるっつうのが良いですね~!
その1ピッチ目は、リュウがリード。
リュウは、60mロープをギリギリまで延ばして、本来の2ピッチ目の半分あたりまで登って行きました。
2ピッチ目は私リード。
爽快&快適な「白い岩のクラック」をグイグイ登って、ここも50mくらい延ばして「ピラミッドフェースの頭」まで到達しました。
3ピッチ目はリュウがリード。
三角形の難しいスラブ越えがありますが、そこを越えて一気に「マッチ箱」の頭まで延ばしました。
そのマッチ箱のリッジを通過する私。
左右切れ落ちたリッジの通過は、怖いったらありゃしない!
マッチ箱の頭に到着すれば、目の前には「城塞ハング」と「枯れの木テラス」が直ぐそこに。
ここまでたったの3ピッチ。ありゃ、もう終わっちゃいそう?
マッチ箱の頭から、15m程懸垂下降し・・・
4ピッチ目のスラブは私リード。
ここも60mロープを目いっぱい出して「枯れの木テラス」まで延ばすことができました。
5ピッチ目はリュウがリード。
城塞ハング下でピッチを切るか?と思いきや、そのまま城塞ハングのチムニーも繋げて無難に?登って行きました。
ここから見る「枯れの木テラス」の崩落跡が、とても威圧的。
2010年に大崩落する前を私は知りませんが、スッパと切れ落ちたリッジの状態となっています。
そして、この亀裂も何とも嫌らしい事!
マッチ箱も、いつかはcガリー側へ崩壊しそうな感じです。
城塞ハングのチムニーも、意外とホールド&スタンスが無く躊躇しますが、無事登ってトップアウト。
ナント!時刻はまだ朝の8時半!
目いっぱいロープを延ばしたおかげで4尾根を5ピッチ(懸垂含めて6ピッチ)、4尾根テラスから約2時間ちょっとでトップアウトできました。
こんなに早くトップアウトできたなら、ついでに「中央稜」も登ってしまおうか?と、リュウと話するも・・・
ここから60mロープ1本を使って懸垂下降すると、空中懸垂で宙ぶらになる危険性があるとの事から、結局「中央稜」へ取り付くのは諦めました。
それに、早くもガスがかかり始めて天気も心配ですし・・・
登攀具&ロープを仕舞って、稜線へと向かう踏み跡をテクテク歩いて行くと、そこにはお花畑が一面に!
そして、北岳山頂へ。
クライミング教室の同期生、かつては一緒にアルパインや沢へと一緒に行っていたリュウと来られて、感無量!
今まで何度となく「北岳バットレス」を計画しても、リュウは雨男なのか?結局天気が悪かったりで、ずっと行けずじまいだったのですよね~。
で、せっかく北岳に"来ただけ"では勿体ない!
・・・という事で、この時期にしか咲かない「キタダケソウ」を探してみる事に。
しかし「キタダケソウ」は、北岳の何処にでも咲いている訳ではなく、山頂にいらっしゃった方が言うには、「トラバース道に咲いている」のだとか・・・?
・・・トラバース道って、どこ?
その「トラバース道」と言うのは、「八本歯~北岳山荘」をトラバースしている登山道の事を指すのでした。
「ミヤマキンバイ」の群生がまた見事!
そして、そこにはひっそりと「ハクサンイチゲ」に似た「キタダケソウ」が咲いておりました。
「ハクサンイチゲ」はコチラ。葉っぱを見れば、違いは一目瞭然ですね!
クラックの中に咲くパステルブルーの「ミヤマムラサキ」が、また可愛らしい事!
こちらは、紫が鮮やかな「ミヤマオダマキ」。
「ハクサンイチゲ」は至る所に!
「八本歯のコル」から見た北岳バットレス。
「あんな危ない所を登ってきたのか~?」と、我ながら感心してしまいます。
「八本歯のコル」から大樺沢の下りは、一度もアイゼンを付けずに下りました。
ダケカンバの林にデポしていたメインザックを回収し、広河原までの下山ルートは「御池小屋」経由で歩いて行く事に。
・・・が、二俣あたりから早くも雨が降り出し、ゴロゴロドド~ンと雷が!
広河原で、14時発のバスに乗れるか?乗れないか?のギリギリの時刻でしたが、結局14時のバスの乗車時刻には間に合わず、14時15分に広河原へ。
バスターミナルにいた係員のオジサンは、「定刻の16時半になるまで、バスも乗合タクシーもココにやって来ません」と冷たいこと言ってましたが、何とか乗合タクシーが15時頃やって来て、16時前には芦安駐車場に戻ることができました。
下山時こそ雨には降られましたが、蓋を開けてみれば良いタイミングで「北岳バットレス」を登れ、ついでに「キタダケソウ」も見れて良い山行だったと思います。
今回、一緒に登ったリュウは二児のオヤジとなり、なかなか一緒に山やクライミングへと行く機会も少なくなっておりますが、都合が合えば、また一緒に行けたら良いですね!
ルート:北岳・バットレス(dガリー大滝~4尾根主稜~北岳山頂~八本歯のコル経由で下山)
<1日目>
広河原(9:58)→二俣(12:00)→dガリー大滝基部下見(14:40)
<2日目>
dガリー大滝基部(4:44)→4尾根テラス(6:12)→登攀終了(8:25)→北岳山頂(9:30)→トラバース道経由八本場のコル(11:10)→白根御池小屋(12:50)→広河原(14:19)
<2日目>
日が変わって、未明の2時半に目覚ましが鳴り、仕方なく起床。
標高2500mくらいある筈なのに、やたら蒸し暑く、あまり寝付けないまま起床の時刻となってしまいました。
隣で寝ていたリュウも寝苦しかったらしく「寝た気がしない」との事。
朝食&テント撤収し、予定通り朝4時には出発。
途中、c沢に降りて飲み水を確保し、踏み跡が明瞭なc沢とd沢の尾根筋をもくもくと登って行くと、やがて「dガリー大滝」の基部へ。
その基部には誰もおらずで一番乗りの様子。ラッキー!
わずか15mくらいの雪渓を登る為、サブザックの中からアイゼンケースを取り出すも、その中から1本爪のリンクスが出てきたのには、もうビックリ!
「持ってくるアイゼン間違えた~!」
セミワンタッチの靴に、ワンタッチのアイゼンを無理やり付けて、無事岩場へと取り付きました。
振り返れば、鳳凰三山・観音岳のピークからご来光が!
シュルンドがある雪渓の先端あたりは、ご覧の状態。岩場への取付きは要注意ですよ!
さて、計画では「5尾根」を登って行く予定でしたが、ココを初めて訪れるリュウが「dガリー大滝」から登ってみたい!と言うので、先ずはリュウがリードでクライムオン!
その「dガリー大滝」ですが、確かにⅣ級程度ではありますが、ホールド&スタンスは昨夜の雨で濡れてるし・・・
しかもリュウは、思いっきりランナウトして登ってますし・・・
「思ったよりも悪かった~」と苦笑い?するリュウをパチリ。
ほぼ60mロープ一杯延ばしてくれたおかげで、横断バンドの取付き付近まで1ピッチで来れました。
その横断バンドはコンテで取付くも、そこの通過も悪い事!
さて、何処が横断バンドか?わかるかな?
横断バンドをcガリー側へトラバースし、更には雪渓が付いたcガリーの右岸側を、これまたコンテで登って行きました。
そして、取付きが雪渓で埋もれていたヒドンスラブもプロテクションが取れないので、そのままコンテで登り・・・
でもって、そこを過ぎれば4尾根テラスに無事到着。
「dガリー大滝」の基部から約1時間半で取り付く事ができました。
私達パーティーの前にも後にも誰もおらずで、4尾根は貸切状態!
よって自分達のペースで、気持ち良く登っていけるっつうのが良いですね~!
その1ピッチ目は、リュウがリード。
リュウは、60mロープをギリギリまで延ばして、本来の2ピッチ目の半分あたりまで登って行きました。
2ピッチ目は私リード。
爽快&快適な「白い岩のクラック」をグイグイ登って、ここも50mくらい延ばして「ピラミッドフェースの頭」まで到達しました。
3ピッチ目はリュウがリード。
三角形の難しいスラブ越えがありますが、そこを越えて一気に「マッチ箱」の頭まで延ばしました。
そのマッチ箱のリッジを通過する私。
左右切れ落ちたリッジの通過は、怖いったらありゃしない!
マッチ箱の頭に到着すれば、目の前には「城塞ハング」と「枯れの木テラス」が直ぐそこに。
ここまでたったの3ピッチ。ありゃ、もう終わっちゃいそう?
マッチ箱の頭から、15m程懸垂下降し・・・
4ピッチ目のスラブは私リード。
ここも60mロープを目いっぱい出して「枯れの木テラス」まで延ばすことができました。
5ピッチ目はリュウがリード。
城塞ハング下でピッチを切るか?と思いきや、そのまま城塞ハングのチムニーも繋げて無難に?登って行きました。
ここから見る「枯れの木テラス」の崩落跡が、とても威圧的。
2010年に大崩落する前を私は知りませんが、スッパと切れ落ちたリッジの状態となっています。
そして、この亀裂も何とも嫌らしい事!
マッチ箱も、いつかはcガリー側へ崩壊しそうな感じです。
城塞ハングのチムニーも、意外とホールド&スタンスが無く躊躇しますが、無事登ってトップアウト。
ナント!時刻はまだ朝の8時半!
目いっぱいロープを延ばしたおかげで4尾根を5ピッチ(懸垂含めて6ピッチ)、4尾根テラスから約2時間ちょっとでトップアウトできました。
こんなに早くトップアウトできたなら、ついでに「中央稜」も登ってしまおうか?と、リュウと話するも・・・
ここから60mロープ1本を使って懸垂下降すると、空中懸垂で宙ぶらになる危険性があるとの事から、結局「中央稜」へ取り付くのは諦めました。
それに、早くもガスがかかり始めて天気も心配ですし・・・
登攀具&ロープを仕舞って、稜線へと向かう踏み跡をテクテク歩いて行くと、そこにはお花畑が一面に!
そして、北岳山頂へ。
クライミング教室の同期生、かつては一緒にアルパインや沢へと一緒に行っていたリュウと来られて、感無量!
今まで何度となく「北岳バットレス」を計画しても、リュウは雨男なのか?結局天気が悪かったりで、ずっと行けずじまいだったのですよね~。
で、せっかく北岳に"来ただけ"では勿体ない!
・・・という事で、この時期にしか咲かない「キタダケソウ」を探してみる事に。
しかし「キタダケソウ」は、北岳の何処にでも咲いている訳ではなく、山頂にいらっしゃった方が言うには、「トラバース道に咲いている」のだとか・・・?
・・・トラバース道って、どこ?
その「トラバース道」と言うのは、「八本歯~北岳山荘」をトラバースしている登山道の事を指すのでした。
「ミヤマキンバイ」の群生がまた見事!
そして、そこにはひっそりと「ハクサンイチゲ」に似た「キタダケソウ」が咲いておりました。
「ハクサンイチゲ」はコチラ。葉っぱを見れば、違いは一目瞭然ですね!
クラックの中に咲くパステルブルーの「ミヤマムラサキ」が、また可愛らしい事!
こちらは、紫が鮮やかな「ミヤマオダマキ」。
「ハクサンイチゲ」は至る所に!
「八本歯のコル」から見た北岳バットレス。
「あんな危ない所を登ってきたのか~?」と、我ながら感心してしまいます。
「八本歯のコル」から大樺沢の下りは、一度もアイゼンを付けずに下りました。
ダケカンバの林にデポしていたメインザックを回収し、広河原までの下山ルートは「御池小屋」経由で歩いて行く事に。
・・・が、二俣あたりから早くも雨が降り出し、ゴロゴロドド~ンと雷が!
広河原で、14時発のバスに乗れるか?乗れないか?のギリギリの時刻でしたが、結局14時のバスの乗車時刻には間に合わず、14時15分に広河原へ。
バスターミナルにいた係員のオジサンは、「定刻の16時半になるまで、バスも乗合タクシーもココにやって来ません」と冷たいこと言ってましたが、何とか乗合タクシーが15時頃やって来て、16時前には芦安駐車場に戻ることができました。
下山時こそ雨には降られましたが、蓋を開けてみれば良いタイミングで「北岳バットレス」を登れ、ついでに「キタダケソウ」も見れて良い山行だったと思います。
今回、一緒に登ったリュウは二児のオヤジとなり、なかなか一緒に山やクライミングへと行く機会も少なくなっておりますが、都合が合えば、また一緒に行けたら良いですね!
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