日付:2026年 1月12日(月)
ルート:七人作りの尾根(七人作りの峰~ハチビツ山~大谷嶺)
新田・稲荷大明神鳥居(8:22)→七人作りの峰(9:29)→1766峰(10:50)→ハチビツ山(11:55-12:15)→大谷嶺(13:01)→大谷崩登山口(14:30)
安倍奥、大谷嶺の南に派生する「七人作りの尾根」。
知る人ぞ知る、安倍奥屈指の藪尾根と言われるこの尾根には、8年前の冬にも一度足を踏み入れていますが、この週末3連休の成人の日は、久しぶりにその藪尾根?を歩いてきました。
そして、この3連休は「10年に一度」レベルとも言われる大寒波が襲来して大荒れになり、山間部では大雪になる!?との予報。
どうせ歩くのなら、雪があった方が断然楽しいところですが、さて如何ほどに・・・?

朝6時に自宅を出発し、7時半頃には大谷崩の入口となる林道へ。予想通り前日に降った雪の影響で、林道の路面はガチガチの凍結状態。
当初の予定では大谷崩登山口の前に車をデポし、そこから今回のスタート地点になる「稲荷大明神」の鳥居まで自転車で移動するつもりでしたが、凍結路面ではあまりにも危険な為、結局は林道途中の路肩に車を停めて、歩いていく事にしました。

車で登ってきた林道を下り、約45分ほどで「七人作りの尾根」の末端にあたる新田地区の「稲荷大明神」鳥居の前へ。
スタート地点の標高は750m、標高2000mの大谷嶺までは標高差にして1250m。
まずは神社へ向かうべく、目の前にある急な石階段を登っていきますが、これがなかなかの急勾配!

一体何段登ったのか?わかりませんが、標高差で100m程登れば神社の境内へ。
せっかくなので無事の下山を祈願し、先へ進みます。

神社を過ぎて植林帯をさらに登っていくと、三角点がある最初のピーク「七人作りの峰」に到着。標高は1357m。
しかし、なしてこのような名前が付いたのか?相変わらず意味不明なネーミングでありやす。

一つ目のピークを過ぎると、直ぐに展望の良い崩落箇所が現れ、そこからは、お馴染みの安倍東山稜が良く見えました。右のピークが大光山かな?
ちなみに、私の8年前のブログには「標高1400m手前あたりから笹も背丈以上となり、獣道であろう踏み跡を見つけながら、笹を漕いで行きます」と記していますが・・・

今や、そのような笹は何処にも見当たらず、笹を漕ぐどころか、先が見通せる状態となっているのには、もう愕然・・・
ここに限らず、安倍奥全体で鹿による笹の食害は非常に深刻で、ここ数年で植生が急激に変わりつつあることを、改めて実感します。

笹が残っている場所にも葉はほとんど無く、茎だけが残る状態。獣道もハッキリしており、ルーファイに苦労することはありませんでした。

ちなみに、8年前の2018年1月に訪れた際の写真がコチラ。
当時は笹が青々と茂り「獣道であろう踏み跡を探しながら笹を漕ぐ」という表現そのままの状況でした。
それが、わずか8年でここまで変わってしまうとは・・・😢

とはいえ標高1500~1600m付近は、相変わらずブナの原生林が美しいところです。

標高1700mを越えると尾根は広くなり、ルートがやや分かりづらくなりますが、基本的には尾根の右側を意識して歩けば問題なし。
やがて小ピークに達すると、そこには「1766」と記された赤テープと、その下には三角点も。

1766m峰を過ぎると、さらに複雑な二重稜線が現れて、右か左か迷うところ。
今回も右側のコブを進みましたが、やや危険な箇所もあるので、この辺りは二重稜線の中央を抜けた方が無難かもしれません。

だらだらと標高を下げていくと、林越しには、これから向かう「ハチビツ山」の山頂がお目見え。
ここから見る山容は実に穏やかですが・・・その本性は、後ほど明らかに。

更に下ると、最後は雪の付いた急斜面となり、立木を頼りに慎重に下降して「七段沢」のコルへ。
七段沢のコルからハチビツ山への登り返しは、かなりの急登。
8年前は背丈ほどの笹を束ねながら、登った記憶がありますが・・・

その笹は跡形もなく消え、現在はザレザレの斜面に変わっていました。ここからは滑落リスクが非常に高くなり、十分な注意が必要。
立木や根っこを頼りに慎重に登っていくと・・・

一気に視界は開け、目の前には「大谷崩」のガレガレの大パノラマが目の前に!

このハチビツ山への登りこそが「七人作りの尾根」最大の核心部です!

なるべく縁側を避け、立木を伝いながら登りますが、可能であれば補助ロープを出した方が安心でしょう。
かなりの高度感があるため、下は見ず(怖くて見られませんが)、ひたすら上だけを見て登っていけば・・・

やがて傾斜も緩んで、ハチビツ山のピークへ。標高は1912m。

ここから眺める大谷崩の大パノラマは、実に壮大!
ただ、今回は雪化粧した姿を期待していただけに、ほとんど冠雪していなかったのは、少々残念なところ・・・
そしてもう一つ、とても残念というか、悲しい気持ちになったのが・・・

かつて青々としていた笹が完全に消え、山頂付近も稜線も荒廃していた事です。

こちらは2013年11月、同地点で撮影した写真。

ハチビツ山の山頂で昼休憩を取り、大谷嶺へ向けて再びガレ場の縁沿いを進みます。

ガレの谷底の向こう側は「扇の要」と呼ばれているところと直結しています。

振り返って、ハチビツ山の山容。七段沢のコルから見た姿とは、まったく印象が異なります。

下りも怖いですが、この急な登りもなかなかのもの。縁側を直登せず、右側の雪が残る林内の獣道を選んで登っていきます。

ここもかつては腰高ほどの笹が密生し、笹を束ねながら喘ぎ登った場所でした(2013年11月撮影)。

ガレのピークに立てば、再び広がる大パノラマ!ちなみに、足元は断崖絶壁です。

最後に、荒廃した丘のような地形を登りきると・・・

無事、大谷嶺の山頂へ。8年ぶりに訪れた山頂は、もはや完全にハゲ山といった印象でした。

こちらは2013年11月、同地点の写真。

このままいけば、数年後には三角点や山頂標識がある場所まで、ガレ場が後退してしまうかもしれません。
笹の根が失われることで地面の保水性が低下し、結果として砂漠化が進み、崩壊を早めている・・・素人ながらも、そんな推測をしてしまいます。

山頂からは、赤石岳と荒川岳の展望。

無事に七人作りの尾根を踏破し、車をデポした場所へ向けて下山開始。

振り返る大谷嶺も、縁の崩壊が著しい山です。一般登山道とはいえ風の通り道でもあり、倒木も目立ちました。

山頂から約30分で「新窪乗越」へ。この日は誰にも会わず、雪上のトレースも一切なし。

山梨側の北斜面は日陰のため雪が残っていますが、静岡側の南斜面は、ご覧のとおり雪なし。
前日に降った雪は、すっかり溶けてしまっていました。

「扇の要」から振り返る、歩いてきたガレガレの稜線(右のピークがハチビツ山)。

大谷崩の登山口を過ぎて舗装された林道を下れば、車を停めた場所に無事帰着。
まだ本格的な冬山とは言い難い安倍奥でしたが、たまには一人で歩く山行も程よい緊張感があって、良いものですね♪
今回で通算2回目の「七人作りの尾根(ハチビツ山は3回目)」でしたが、過去と比べて山の環境が著しく変化していることを目の当たりにし、大きな衝撃を受けました。
冒頭で「安倍奥屈指の藪尾根」と書きましたが、それはもはや過去の話。今では笹のない荒廃した尾根となっています。
南アルプス同様、安倍奥の植生は深刻な状況にあり、自治体を含めた何らかの取り組みが必要だと、つくづく感じさせられる山行でした。
ルート:七人作りの尾根(七人作りの峰~ハチビツ山~大谷嶺)
新田・稲荷大明神鳥居(8:22)→七人作りの峰(9:29)→1766峰(10:50)→ハチビツ山(11:55-12:15)→大谷嶺(13:01)→大谷崩登山口(14:30)
安倍奥、大谷嶺の南に派生する「七人作りの尾根」。
知る人ぞ知る、安倍奥屈指の藪尾根と言われるこの尾根には、8年前の冬にも一度足を踏み入れていますが、この週末3連休の成人の日は、久しぶりにその藪尾根?を歩いてきました。
そして、この3連休は「10年に一度」レベルとも言われる大寒波が襲来して大荒れになり、山間部では大雪になる!?との予報。
どうせ歩くのなら、雪があった方が断然楽しいところですが、さて如何ほどに・・・?

朝6時に自宅を出発し、7時半頃には大谷崩の入口となる林道へ。予想通り前日に降った雪の影響で、林道の路面はガチガチの凍結状態。
当初の予定では大谷崩登山口の前に車をデポし、そこから今回のスタート地点になる「稲荷大明神」の鳥居まで自転車で移動するつもりでしたが、凍結路面ではあまりにも危険な為、結局は林道途中の路肩に車を停めて、歩いていく事にしました。

車で登ってきた林道を下り、約45分ほどで「七人作りの尾根」の末端にあたる新田地区の「稲荷大明神」鳥居の前へ。
スタート地点の標高は750m、標高2000mの大谷嶺までは標高差にして1250m。
まずは神社へ向かうべく、目の前にある急な石階段を登っていきますが、これがなかなかの急勾配!

一体何段登ったのか?わかりませんが、標高差で100m程登れば神社の境内へ。
せっかくなので無事の下山を祈願し、先へ進みます。

神社を過ぎて植林帯をさらに登っていくと、三角点がある最初のピーク「七人作りの峰」に到着。標高は1357m。
しかし、なしてこのような名前が付いたのか?相変わらず意味不明なネーミングでありやす。

一つ目のピークを過ぎると、直ぐに展望の良い崩落箇所が現れ、そこからは、お馴染みの安倍東山稜が良く見えました。右のピークが大光山かな?
ちなみに、私の8年前のブログには「標高1400m手前あたりから笹も背丈以上となり、獣道であろう踏み跡を見つけながら、笹を漕いで行きます」と記していますが・・・

今や、そのような笹は何処にも見当たらず、笹を漕ぐどころか、先が見通せる状態となっているのには、もう愕然・・・
ここに限らず、安倍奥全体で鹿による笹の食害は非常に深刻で、ここ数年で植生が急激に変わりつつあることを、改めて実感します。

笹が残っている場所にも葉はほとんど無く、茎だけが残る状態。獣道もハッキリしており、ルーファイに苦労することはありませんでした。

ちなみに、8年前の2018年1月に訪れた際の写真がコチラ。
当時は笹が青々と茂り「獣道であろう踏み跡を探しながら笹を漕ぐ」という表現そのままの状況でした。
それが、わずか8年でここまで変わってしまうとは・・・😢

とはいえ標高1500~1600m付近は、相変わらずブナの原生林が美しいところです。

標高1700mを越えると尾根は広くなり、ルートがやや分かりづらくなりますが、基本的には尾根の右側を意識して歩けば問題なし。
やがて小ピークに達すると、そこには「1766」と記された赤テープと、その下には三角点も。

1766m峰を過ぎると、さらに複雑な二重稜線が現れて、右か左か迷うところ。
今回も右側のコブを進みましたが、やや危険な箇所もあるので、この辺りは二重稜線の中央を抜けた方が無難かもしれません。

だらだらと標高を下げていくと、林越しには、これから向かう「ハチビツ山」の山頂がお目見え。
ここから見る山容は実に穏やかですが・・・その本性は、後ほど明らかに。

更に下ると、最後は雪の付いた急斜面となり、立木を頼りに慎重に下降して「七段沢」のコルへ。
七段沢のコルからハチビツ山への登り返しは、かなりの急登。
8年前は背丈ほどの笹を束ねながら、登った記憶がありますが・・・

その笹は跡形もなく消え、現在はザレザレの斜面に変わっていました。ここからは滑落リスクが非常に高くなり、十分な注意が必要。
立木や根っこを頼りに慎重に登っていくと・・・

一気に視界は開け、目の前には「大谷崩」のガレガレの大パノラマが目の前に!

このハチビツ山への登りこそが「七人作りの尾根」最大の核心部です!

なるべく縁側を避け、立木を伝いながら登りますが、可能であれば補助ロープを出した方が安心でしょう。
かなりの高度感があるため、下は見ず(怖くて見られませんが)、ひたすら上だけを見て登っていけば・・・

やがて傾斜も緩んで、ハチビツ山のピークへ。標高は1912m。

ここから眺める大谷崩の大パノラマは、実に壮大!
ただ、今回は雪化粧した姿を期待していただけに、ほとんど冠雪していなかったのは、少々残念なところ・・・
そしてもう一つ、とても残念というか、悲しい気持ちになったのが・・・

かつて青々としていた笹が完全に消え、山頂付近も稜線も荒廃していた事です。

こちらは2013年11月、同地点で撮影した写真。

ハチビツ山の山頂で昼休憩を取り、大谷嶺へ向けて再びガレ場の縁沿いを進みます。

ガレの谷底の向こう側は「扇の要」と呼ばれているところと直結しています。

振り返って、ハチビツ山の山容。七段沢のコルから見た姿とは、まったく印象が異なります。

下りも怖いですが、この急な登りもなかなかのもの。縁側を直登せず、右側の雪が残る林内の獣道を選んで登っていきます。

ここもかつては腰高ほどの笹が密生し、笹を束ねながら喘ぎ登った場所でした(2013年11月撮影)。

ガレのピークに立てば、再び広がる大パノラマ!ちなみに、足元は断崖絶壁です。

最後に、荒廃した丘のような地形を登りきると・・・

無事、大谷嶺の山頂へ。8年ぶりに訪れた山頂は、もはや完全にハゲ山といった印象でした。

こちらは2013年11月、同地点の写真。

このままいけば、数年後には三角点や山頂標識がある場所まで、ガレ場が後退してしまうかもしれません。
笹の根が失われることで地面の保水性が低下し、結果として砂漠化が進み、崩壊を早めている・・・素人ながらも、そんな推測をしてしまいます。

山頂からは、赤石岳と荒川岳の展望。

無事に七人作りの尾根を踏破し、車をデポした場所へ向けて下山開始。

振り返る大谷嶺も、縁の崩壊が著しい山です。一般登山道とはいえ風の通り道でもあり、倒木も目立ちました。

山頂から約30分で「新窪乗越」へ。この日は誰にも会わず、雪上のトレースも一切なし。

山梨側の北斜面は日陰のため雪が残っていますが、静岡側の南斜面は、ご覧のとおり雪なし。
前日に降った雪は、すっかり溶けてしまっていました。

「扇の要」から振り返る、歩いてきたガレガレの稜線(右のピークがハチビツ山)。

大谷崩の登山口を過ぎて舗装された林道を下れば、車を停めた場所に無事帰着。
まだ本格的な冬山とは言い難い安倍奥でしたが、たまには一人で歩く山行も程よい緊張感があって、良いものですね♪
今回で通算2回目の「七人作りの尾根(ハチビツ山は3回目)」でしたが、過去と比べて山の環境が著しく変化していることを目の当たりにし、大きな衝撃を受けました。
冒頭で「安倍奥屈指の藪尾根」と書きましたが、それはもはや過去の話。今では笹のない荒廃した尾根となっています。
南アルプス同様、安倍奥の植生は深刻な状況にあり、自治体を含めた何らかの取り組みが必要だと、つくづく感じさせられる山行でした。
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